1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードが、絵画で分かりやすい。また、ギリシャ神話はあなたの美術鑑賞に役立ちます。〈アートバイブル〉も、絵画でわかりやすい聖書です。

オイディプス王 前編

オイディプスとスフィンクス
フランソワ=グザヴィエ・ファーブル〈オイディプスとスフィンクス〉

香煙と治癒嘆願の祈り、嘆きの声に満ち満ちていた都市テーバイ。
神官が、スフィンクスの謎を解いた、人間の英知オイディプス王に助けを求めにやってきました。王は市を救う方法を尋ねるべく、すでに義弟クレオンをアポロンの宮につかわし、神託をもとめていました。

(宰相クレオン、オイディプス王の前にすすみ出る)
クレオン
「吉報です、正しいことがなされれば、幸いに終わります。『なんびとであろうと、前王ライオス様を殺害した犯人を罰するように』と、アポローン神はハッキリと命じました」
オイディプス王
「その犯人は、どこにおるのだ?」
クレオン
「このテーバイの地にて、と神は仰せられました」

オイディプス王
「ライオス殿の殺害の状況はどうであったのか?」
クレオン
「かろうじて一人逃れてきたものが申すには、『盗賊の集団に襲われた』と」
オイディプス王
「なぜ、その者どもを追わなかったのか?」
クレオン
「王がお倒しになった、怪物スフィンクスの災いのため、その他の事はおろそかになっていました」
オイディプス王
「犯人を断罪するか、このテーバイから追放する!」

オイディプス王は、確固たる信念によって宣言しました。
しかし、アポローンのお告げは、なぜ犯人の名を告げなかったのであろうか?

(コロス:テーバイの長老たちが王の館にやってくる)
コロス(テーバイの長老たち)
「テイレシアス殿はアポローン神に等しい能力の持ち主です。彼にお尋ねになったらいかがでしょうか」
オイディプス王
「すでにクレオン殿の言葉によって、呼びにいかせた」

(子供に手を引かれた占い師テイレシアス登場)
オイディプス王
「テイレシアス殿、ライオス前王を殺したのはいったい誰であるか?」
テイレシアス
「おお、知恵は何の役にもたたぬ。忘れてしまった!」
オイディプス王
「何ということか!この国のためだ、教えてくれ」
テイレシアス
「あなたの禍いは言えぬ、帰らしてくれ」
オイディプス王
「私の禍い?どういうことか?」
テイレシアス
「これ以上はもう言えぬ」
オイディプス王
「なんとしたことか!これはクレオンの陰謀か?あなたの策か?
この目しいめ!」
テイレシアス
「王とはいえ、その侮辱はゆるせぬ!」

オイディプス王は真実の究明、テイレシアスは思いやりからでしたが(あとで分かることですが)、最後は互いにののしりあいになって別れてしまいました。

オイディプス王 中編

オイディプスとスフィンクス
ギュスターヴ・モロー〈オイディプスとスフィンクス〉メトロポリタン美術館