※本ページにはプロモーションが含まれています。

夜の女神ニュクス[ギリシャ神話Images99]No.18
ニュクス(夜の女神)はカオスから生まれた原初の神

カオスの子
カオスから晦冥(エレボス)と黒い(ニュクス)が生じた。
夜からは顥気(かうき:アイテル)と(ヘメラ)が生じたが、彼女は晦冥と愛の交わりをして、それらを身籠り生んだのだ。

夜の子
(ニュクス)は忌まわしい死の定め(モロス)と、黒い死神(ケール)と、(タナトス)を生み、眠り(ヒュプノス)を生み、(オネイロス)の一族を生んだ。
次にまた、漆黒の夜(ニュクス)はいずれの神とも枕を交わすことなく、非難(モモス)と、痛ましい苦悩(オイジュス)を、
更には、名に負う大洋の彼方で、美しい黄金の林檎と、その実を結ぶ木々とを守るタべの娘たち(ヘスペリデス)を生んだ。

また、運命(モイラ)たちと、容赦なく罰する死神(ケール)たちを生んだが、
[人の子が生まれるに際して福と禍を授ける、クロトとラケシスとアトロポスを]

これは、人間と神々の違反を追及し、犯した者に手ひどい罰を加えるまでは、決して恐ろしい怒りを止めない女神たちだ。
空蝉の人の子の災厄となる悲憤(ネメシス)をも生んだ。

禍々しい夜(ニュクス)は、その後更に、欺瞞(アパテ)に色事(ピロテス)、呪わしい老い(ゲーラス)に、強い心の争い(エリス)を生んだ。
(ヘシオドス『神統記』より)