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アラクネベラスケス〈アラクネの寓話〉

アラクネのおごり

もう一つ、別の対決もありました。それは織物が得意な乙女がアテナに挑んだのです。彼女の名は、アラクネ。彼女の織物の技は素晴らしく、織物だけでなく、作業する姿も美しいものでした。森や泉のニンフたちが、いつも見に来ていたほどです。

アテナが自ら教えたのではないかと噂されていましたが、アラクネはこれを否定し弟子と言われるのを嫌いました。
「女神アテナと勝負してみたいものだわ、負けたらどんな報いでも受けましょう」

アラクネに忠告「女神は、今ここにいます」

これを聞いたアテナは怒り、老婆に身を変え、アラクネに忠告しにいきました。
「年寄りの言うことを聞きなさい。勝負は同じ人間同士でしなさい。決して、女神さまと争ってはなりません。そして、前に申されたことを女神さまに赦してもらうように。女神さまは慈悲深いお方だから赦してくださるでしょう」

アラクネは織っていた手をとめると、キッと老婆をにらんで言いました。
「そんな忠告なんて、他の人にして。私は一歩だって引かないし、あんな女神なんかちっとも怖くないんだから。今すぐ、勝負したいものだわ」

「女神は、今ここにいます」
アテナはこう言うと、神の姿を現しました。回りにいたニンフたちは敬服して頭を下げました。
しかし、アラクネは決意を変えることなく、きっと女神をにらみつけます。一瞬、顔は赤くなりましたが、その後青ざめてはいました。

アラクネとアテナの織物対決

アテナの織物は、様々な色合いが見事なものでした。ポセイドンとの争いの図で、周りにはそれを見守るオリュンポスの十二神。ポセイドンが大地を撃ち馬を出現させ、アテナ自身は兜をかぶり、アイギスの楯を持った姿でした。

四隅には様々な戦いの図を描いたのは、アラクネにこの競争をやめるよう警告したのです。

一方のアラクネの織物も見事でした。それは神々の失敗や過ちを描き出していました。レーダーが抱きしめている白鳥(実はゼウス)、閉じ込められたダナエに降り注ぐ黄金の雨(これもゼウス)、エウロペを連れ去る牡牛(これまたゼウス)。この他にも同じようなシーンで、彼女は神々への不遜な心と不敬の念を強く表現していました。

アテナさえ、アラクネの織物の技には感嘆せずにはいられませんでした。しかし、女神はこうした神々への侮辱には憤りを感じました。手にした梭(ひ:織機の用具)で、アラクネの織物をずたずたに裂いてしまいます。

それから、アラクネの額に手を当て、彼女にその思い上がりを悟らせようとしました。だが、アラクネは反省することもなく、我慢できずに首をつって死んでしまいました。

アラクネ、クモになる!

憐れに思ったアテナは、その紐に手をふれ言いました。
「生き返りなさい、罪深い女よ。このことを忘れないように、子孫代々ぶら下がり続けていなさい」

女神はそう言うと、アラクネの身体にトリカブトの液をかけました。すると、髪は抜け、鼻もなくなり、身体は縮んで頭は小さくなり、指は胴体にくっつくと細長く伸びました。クモになったのです。それ以来、クモは糸を出してはぶら下がり、糸を紡いでは巣を作り続けているのです。

アラクネ2

アテナの誕生

アテナはゼウスの頭から、完全に武装した成人の姿で、飛び出したと言われています。実用的な技術、装飾的な技術を司り、知恵と戦いの神です。その力は防御するもので、軍神アレスのような攻撃的なものではありません。

しかし、ホメロスの『イリアス』では、アテナはアレスより圧倒的に強く、一撃でアレスを圧倒し気絶させました。

(まだ町の名がなかった頃)アテナイの最初の王・ケクロプスの時代に、アテナはポセイドンと争いました。有益な贈り物をした神にこの町を捧げるという条件でした。ポセイドンは馬を、アテナはオリーブの木を贈りました。

神々はオリーブの木の方が有益と判断して、アテナイの町をアテナに与えたのです。それで、この町は「アテナイ」と呼ばれることになりました。

蜘蛛ですが、なにか?

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