ギリシャ神話の絵画も多く、イメージがすぐ頭に浮かび、分かりやすいとお便りをいただいています(謝)。ゼウス、アポローン、アテーナ、アフロディーテ(ビーナス)をはじめとして、オリュンポスの12神でエピソード分類しています。
また12星座の神話は、特にアクセスが多いです。
20年ぶりの夫オデュッセウスとの床入り(新婚ではありませんが)。えっ、私の顔が嬉しそうじゃないって! そうでしょうね。だって20年、消息も分からなかった夫ですよ。[全文を読む]
ギリシャ神話の5つの時代〈あらすじ〉
黄金の時代
人間と動物、人間と人間が争うこともなく、食べ物に困ることもありません。いつも温かい気候はまさにパラダイス!
銀の時代
ゼウスは春だけだった1年を、春・夏・秋・冬の4つの季節にわけました。食べ物を作り、寝る場所も必要になりました。しかし、人間の心はまだ優しかったのです。
青銅の時代
人間の心は荒々しくなり、残忍な武器をもち戦うようになりました。山の木を倒し、船で海に出ては魚を捕らえます。また、地を深く掘っては、黄金や銅を求めます。
(ここに大洪水と英雄の時代を入れる説もあり)
鉄の時代
人間はあらゆる悪行をはじめます。もはや、優しさはありません。だまし、悪だくみ、暴力があふれ、人間は自分勝手に金を欲しがります。
ゼウス、世界の覇王となる
カオス(イメージ)
はじめにカオス(混沌)ありき!
カオスの中に大地女神ガイアが生まれ、ガイアは天空神ウラノスを生みます。
天空神ウラノスを倒したのが、その子クロノス。クロノスの兄弟姉妹は、ティーターン神族と呼ばれます。クロノスは、姉レアと結婚し、オリュンポスの神々を生みます。
しかし、クロノスは「自分の子に王座を奪われる」とウラノスに言われていたので、生まれた子を次々に飲み込んでしまいます。
悲しんだレアは、新たに身ごもった子は助けたいと願い、クレータ島で密かにゼウスを出産しました。
ゼウス
ゼウスは成長すると、クロノスに飲み込まれた兄と姉たちを助け出すことを決意。助けると、オリュンポス山に布陣し、クロノスのティーターン神族と戦います。「ティタノマキア」と言われたこの戦いは10年間続き、ゼウス側が勝利します。
ゼウスが天空と地上、ポセイドーンが海洋、ハーデースが冥界をくじ引きで支配することになりました。
ギリシャ神話の人気エピソード8選
チャンスの神は前髪しかない
チャンスの神カイロス
チャンスの神カイロスには前髪しかなく、後頭部はハゲています。
人生に何回もめぐってくる運(前髪)と不運(後頭部)。あなたには、この運をつかみ、不運を回避する準備ができていますか?
たとえば、回転寿司。食べたいネタがあれば、回ってくる前から注意していなければ、取れませんよね。
ゼウスの浮気・エウロペの誘拐
エウロペの誘拐
ゼウスはドンファンよりはるか昔の元祖プレイボーイ。ゼウスの浮気で、最も有名なのがエウロペの誘拐です。
ゼウスはこの時「白い雄牛」になって、エウロペや乙女たちの気をひきます。そして、エウロペが背に乗ったまさにその時、海に入り連れ去ります。
このように、ゼウスはプライドを捨て、どんなことでもします。見習うべき実行力かも!
アポローンと月桂樹になったダプネー
アポローンとダプネー
アポローン「おい、いたずら坊主。弓矢なんか持つんじゃない! 弓矢は、私のような怪物を倒した者が持つ武器なんだ」
エロース「アポローンさん、ボクの矢はあなたの胸にだって刺さるんですよ」
そう言うと、エロースは恋心を燃やす〈黄金の矢〉でアポローンを射抜き、恋をはねつける〈鉛の矢〉で河神の娘ダプネーの胸を射抜きました。
アポローンは初めて見たダプネーへの恋にとらわれ、ダプネーは「恋など汚らわしい」と思うようになりました。
だから、アポローンから逃げるダプネー。アポローンがダプネーを捕まえる瞬間、「お父さま、助けて〜。私の姿を変えてください」と彼女は願います。すると、彼女は月桂樹へと変身したのです。
イカロスの墜落
イカロスの墜落
アテーナイから怪獣ミノタウロスへの生け贄として、クレータ島にやってきたテーセウス。ミノタウロスを倒した後、アリアドネーの助けの糸でラビリンス(迷宮)脱出できました。
アリアドネーの糸
「テーセウス様
ラビリンスの入り口にこの糸の端をくくりつけてから、奥に入ってください。そして、ミノタウロスを倒したら、その糸をたどって入り口に戻ってください」
ミーノース王は娘アリアドネーにラビリンスからの脱出法を教えたのがダイダロスであるとし、彼と息子イカロスをラビリンスに閉じ込めました。
ダイダロス「ミーノース王は陸と海を支配できても、大空を支配することはできないだろう。私は、この大空から逃げてみせよう!」
アポロンと白いカラス
カラスは白かった!
アポローンの愛人コローニスとイスキュスが密会。これを目撃したカラスは、アポローンに告げ口します。
アポローンは怒り、コローニスに矢を放ちました。矢は彼女の胸を射抜きました。彼女は胸を血に染めながら、アポローンに言いました。
「赤ちゃんを産んでから、罰を受けることもできましたのに」
この赤ちゃんが、医学の父アスクレーピオスです。
アポローンはカッとなった自分だけでなく、彼女の罪を知らせたあの白いカラスをも憎み、「おまえは、一生喪に服くしていろ!」と言いました。白いカラスが、黒いカラスに変わったのです。
ビーナスの誕生と浮気
ビーナスの誕生
ゼウスの父クロノスが、その父ウラノスの男根をアダマス金属の鎌で刈り取り、海に投げ入れました。落ちたところから白い泡が湧き立ち、その中から女神アフロディーテ(ビーナス)が誕生しました。
なんとも、ショッキングなビーナスの誕生です。しかし、愛は愛欲、性器に関係しているのは間違いありません。こんなビーナスの誕生を、最も美しく描いたのがルネサンスの画家ボッティチェッリです。
ところで、ビーナスには愛人が多くいたのです。神では軍神アレース、人間ではトロイアのアンキセスでアイネイアースの父、ツバメではでアドニス。さすが愛の女神です。
純愛と試練「エロースとプシュケー」
エロースとプシュケー
プシュケーの美しさは、たくさんの人々を引きつけました。そのため、アフロディーテの神殿を訪れる人々が減り、女神はプシュケーに嫉妬し憎みました。
女神の嫉妬から始まる「純愛」物語。ここには、愛、妬み、嫉妬心、姉妹の憎悪、親子愛、試練、とすなわち人生のすべてがあります。
- 女神アフロディーテの嫉妬
- 「愛は疑いと一緒にはいられない!」
- 心にスキが生まれた瞬間に⁉︎
ペルセウスとメドゥーサ
メドゥーサ
メドゥーサは、もとは美しい乙女でした。特にその髪をとても自慢にしていました。その彼女の自慢が、女神アテーナと美しさを競わせたのです。
女神が怒らないはずはありません。髪は生きた蛇で、その目を見たものは石になってしまうゴルゴンに変身させられました。2人の姉は不死で、メドゥーサのみが死すべき運命でした。
ペルセウスに妹メドゥーサが殺された時、二人の姉はどうしていたのでしょうか。その時、ペルセウスは恐れ慌てて、全速で逃げました。2人の姉は、彼を捕まえるべく追いかけます。(ヘシオドス『ヘレクレスの楯』)
パリスの審判とトロイア戦争『イリアス』
パリスの審判
アキレウス母テティスとペーレウスの結婚式当日。宴に投げ入れられた黄金のリンゴ。「一番美しい女神に」と書かれた札がついていました。ヘーラー、アフロディーテ、アテーナは、それぞれ「黄金のリンゴはわたしのもの」と主張。
ゼウスはこの厄介な審判を若者に任せます。『パリスの審判』です。パリスは「一番美しい女性を与える」と約束したアフロディーテに黄金のリンゴを渡したのです。
「一番美しい女性」それがヘレネーです。ヘレネーはアガメムノンの弟メネラオスの妻でした。パリスは彼女をトロイアに連れ去ります。トロイア戦争の勃発です。
ホメロスの『イリアス』は、10年間のトロイア戦争で最後の一年の出来事を唄っています。だから、パリスの審判、アキレウスの死、木馬とラオコーンの話は書かれていません。「アキレウスの怒り」からヘクトールの死と葬儀までが書かれています。
号泣するオデュッセウス『オデュッセイア』
宮殿で号泣するオデュッセウス
トロイア戦争は10年間。そして、オデュッセウスが故郷イタケーに帰るまでさらに10年間、海洋をさまよいます。その物語が『オデュッセイア』です。
オデュッセウスは、仙女カリプソーの島では故郷へ帰りたいと悲しんだり、魔女キルケの島では彼女との間に2人の子供まで作ったりします。最後にたどり着いたのがパイエケス国。この宮殿内で詩人がトロイア戦争を唄うと、オデュッセウスは人前もはばからず大号泣します。人間臭いオデュッセウス!
そして、ついに故郷に帰ったオデュッセウス。20年間放っておいた妻ペネロペイアに言い寄っていた島の有力者の息子たちを皆殺しにします。