1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードが、絵画で分かりやすい。また、ギリシャ神話はあなたの美術鑑賞に役立ちます。〈1話5分で読める聖書-アートバイブル

天国エーリュシオンと地獄タルタロス

(更新日:2021.04.26)

カルロス・シュヴァーベ『エーリュシオンの野』
カルロス・シュヴァーベ〈エーリュシオンの野〉

ギリシャ神話の天国はエーリュシオン

死後、神々に愛された人々(英雄など)が幸福に生活している天国がエーリュシオン。気候温暖で芳香に満ちた島とされています。
ホメロスによると、ハーデースの支配下にある冥界とは別の世界です。西のはて、オーケアノス河の近くにあり、支配者はラダマンテュスと言われています。
冥界にはハーデースの下に審判官が3人います。ミーノース、アイアコス、そしてこのラダマンテュスです。

ローマの詩人はエーリュシオンの野は冥界にあり、白ポプラの木が茂っていると言います。《幸福の島》もまたこれと似たもので、同一場所かも知れません。ハーデースに冥界に連れてこられ死んでしまった女性のレウケー(「白い」という意味)が白ポプラになりました。

ミーノース
クレータ文明の創始者。王の妻の子があの怪物ミノタウロスです。
アイアコス
ミュルミドネス(アリ人間)の祖で、この世で最も敬虔な人物とされていました。ミュルミドネスを率いてトロイア戦争に参戦したのが、アキレウスです。父であるゼウスはアイアコスを非常にかわいがり、老衰の運命からも解放してやろうと願った。しかし、運命の女神(モイライ)がどうしても許さないので断念した。その代わり、アイアコスが死ぬと、裁判官にしました。
ラダマンテュス
ゼウスとエウロペの子で、ミーノースは兄です。クレータ王アステリオスに育てられました。

イクシオンの拷問
ランゲッティ〈イクシオンの拷問〉

ギリシャ神話の地獄はタルタロス

タルタロスは神であり、冥界の一番下にある世界をも表しています。

ヘシオドスによると、タルタロスは原初神である天空神アイテールと大地女神ガイアの子。タルタロスは母と交わってギガンテス(巨人族)、テューポーン、エキドナの父となりました。怪物の父と言っても良いでしょう。

ハーデースがいる世界とタルタロスとの間の距離は、天と地の間のそれに等しい。タルタロスには神々にそむいた大罪者が落されます。ウーラノスはガイアとの間に生れた最初の子キュクロプスと醜いヘカトンケイルをここに落しました。

しかし、ティーターン神族がウーラノスに勝利した時、クロノスはキュクロプスを一度はタルタロスから出しましたが、ふたたびここに落しました。クロノスの子ゼウスとオリュンポスの神々がティーターン神族を破った時、クロノスたちティーターン族をタルタロスに落としました。50の頭と100の手を持つ3人のヘカトンケイルたちはゼウスに加勢した功績により、タルタロスの番になりました。

アローアダイ、人間ではサルモーネウス、イクシオン、原初神タンタロスなどがここに落されています。ゼウスにそむけば神々もここに投下されるのでタルタロスを恐れました。

アローアダイ
ポセイドーンとイーピメディアの子でオートス、エピアルテース。恐るべき怪力の持主でしたが、幼くしてオリュンポスの神々に戦いを挑み、滅ぼされました。
サルモーネウス
自らゼウスと称し、ゼウスの供物を自分に捧げるよう人々に命じ、また戦車で青銅の釜を引いて走り、そのときに生じた轟音を雷鳴だといい、さらに松明を天に投じて雷だと偽っていました。そのためにゼウスはサルモーネウスを雷で撃ち、さらに彼の都市と住人を滅ぼしました。
イクシオン
妻の父デーイオネウスを殺した最初の者。ゼウスの妻ヘーラーを誘惑しようとしたり、死神を捕らえたりしてタルタロスに落とされました。テーセウスの友人ペイリトオスの父親。

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