No.11【大洪水】5時代説と青銅の時代に怒ったゼウス
(更新日:2021.12.18)
フランシス・ダンビー作『大洪水(The Deluge)』は、旧約聖書の「ノアの方舟」に関連した絵画です。
『大洪水』は、聖書やギリシャ神話などあらゆる古代の物語に現れます。これのもとは、すべてシュメール神話の『大洪水』でしょう。なぜなら、一番古いのが、シュメールだからです。
ゼウスの大洪水で人類を滅ぼす決定
ゼウスはオリュンポスの宮殿に神々を集めると、宣言します。
「わしは、今の人間を滅ぼし、新しい種族を作ろうと思う。そうすれば、神々への崇拝も復活するであろう!」
そう言うなり、ゼウスは雷霆(らいてい)を手にし、今まさに地上を焼き尽くそうとしました。
しかし、思いとどまりました。それは、地上が燃えさかり、天まで焼かれてしまうかもしれないと思ったからです。
[ギリシャ神話Images99]No.11
▶︎【大洪水】5時代説と青銅の時代に怒ったゼウス
もう一つの大洪水の話 心美しい老夫婦
ある夜、大神ゼウスとその子ヘルメースは疲れた旅人をよそおい、ある村に一夜の宿を乞いに訪れます。
しかし、泊めてくれる村人は見つからず、とうとう、村はずれのみすぼらしい最後の一軒の戸口を叩くことになりました。
「こんな時間にすまないが、我ら二人を泊めてくださらぬか」
「ええ、ようございます。ごらんのように、たいしたお持てなしはできませんが」
木の葉は身体を多い、頭を被い、最後には顔も被いはじめました。二人は口が利けるあいだ、別れの言葉をかわしあいました。
「さようなら、愛しい人よ」
二人同時に言いおえた瞬間、木の葉はすっかり二人の顔を隠していました。