1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードが、絵画で分かりやすい。また、ギリシャ神話はあなたの美術鑑賞に役立ちます。〈1話5分で読める聖書-アートバイブル

母の悲哀 ベスト3

(更新日:2021.02.11)

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【母の悲哀 Best3】
ニオベー「この子だけは助けてください!」
ヘカベー「生贄になった娘、さらに最後の望みポリュドロスまで…」
イオカステー「国を救ってくれた夫は捨てたあの子だった…」

母の悲哀 ベスト3

誇りから言った言葉で、子供14人すべて殺されたニオベー

女神レートーとその子アポローンとアルテミスを祭る日。
テーバイ国王アンピーオーンの妃ニオベー。7人の息子と7人の娘が大変誇らしく、
「私には7人の息子と7人の娘がいる。
しかし、女神にはたったの2人の子供しかいない。
祭りはやめて、家へ帰りなさい」

と、集まった民衆に言い放すニオベー。

憤慨した女神レートーは、
「私は、2人を誇りにしています。お前たちが母さんの尊厳を守ってくれないと...」
「母上、それ以上おっしゃいますな。話は処罰を送らせるだけですから」
と、アポローン。
ただちに妹アルテミスと一緒に弓矢を持ち、街の塔に降り立つや矢を放ちます。
矢は、たちまち息子7人を殺してしまいます。

このショックで、夫アンピーオーンは自殺。
「それでも、私には7人の娘がいる!」
とニオベー。集まっっていた娘6人もすぐに射殺されてしまいます。
とうとう、ニオベーは末っ子の娘を抱きかかえると叫びました。

「この子だけは助けてください!」

しかし、その願いもかなわず、末っ子も殺されてしまいます。
夫と子供14人を全て失ったニオベー。
その場から動くこともできず、体内の血は流れることをやめ、石となってしまいました。石の目からは、今も涙が流れ続けているといいます。

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ニオベー
P=C.ジョムベール〈アポローンとアルテミス、ニオべの子を殺す〉

トロイア王妃ヘカベー、戦争の犠牲者は女たち

「トロイアの王女ポリュクセナを生け贄として、私に捧げよ」
突如現れたアキレウスの亡霊。トロイア陥落後、ギリシャ軍は帰る途中トロイアの対岸トラキアの港で休んでいました。

トロイア戦争で失ったヘカベーの有名な子は、ヘクトール、パリス、デーイポボス。
ギリシャに連行される王妃ヘカベーの唯一の慰みは、娘ポリュクセナでした。
もう一人の娘カッサンドラーは、ギリシャ軍総大将アガメムノンの奴隷として連行されていました。

ポリュクセナが生贄となり、生きる望みを失ったヘカベー。
「娘よ、おまえにしてあげることは、母の涙とひとつかみの異国の砂だけ。
わたしは敵に殺させるために、息子や娘を生んだのか......
いや、わたしにはまだトラキア王にあずけた最愛の末息子ポリュドロスがいる」
そう思い力をふりおこしたヘカベー。ポリュクセナの遺体を抱きかかえ海辺に行きます。

すると、なんということでしょう。その最後の望みポリュドロスの遺体が、岸辺に打ち上げられていたのです。トロイア陥落の知らせが届くと、トラキア王はポリュドロスを剣で刺し殺し崖からつき落としていたのです。

意を決したヘカベー。トラキア王ポリュメストルに会いに行きます。
「ポリュメストル殿、隠していた黄金を息子に渡してはもらえまいか」
「ヘカベー様、今回の黄金も前に預かっている持参金もみな、ご子息にお渡しいたします」
その時、王妃と侍女たちはトラキア王を押さえつけると、ヘカベーは両眼に指を突き刺し、目の玉をくりぬいてしまいました。

トラキア王の家臣たちはヘカベーたちを取り囲むと、石を投げつけました。
ヘカベーはうなり声を上げながらも、飛んでくる石に噛みつこうとしました。その声はもはや人間の声ではなく、犬に変身していたのです。

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ヘカベーとポリュクセナ
M.ジョセフ・ブロンドル〈ヘカベーとポリュクセナ〉

オイディプス王の妃イオカステーは、実の母親

「朝は四本足、昼は二本足、夕方には三本足の生き物は何か?」
この謎を解いたオイディプス王。テーバイ先王の妻イオカステーと結婚し、二男二女の子供がありました。
しかし、今のテーバイには疫病が蔓延しています。その原因を神託に求めると、「先王を殺した犯人が捕まっていないから」とわかりました。

「犯人を捕らえたら、街から追放、または処刑する」
と布告したオイディプス王。

預言者テイレシアースを呼んで真相を確かめます。預言者は頑なにそれには答えず、王の怒りを買ってしまいます。
そして、最後に「王がその原因です」と立ち去りました。

不安になったオイディプス王を慰める王妃イオカステー
王には『自分の父を殺し、母と交わる』との予言がありました。
「先王は自分の子に殺されると神託がありましたが、町外れの三叉路で複数の悪人に殺されました」
と、神託があてにならないと王を慰めます。
そのことが王を不安にさせます。かつてその三叉路で、いざこざからそれらしい老人を殺していたからです。
その時ただ一人生き残った従者は、オイディプスが王になった時、神託が成就した恐れから羊飼いとなって田舎に隠れました。

隣国コリントスの使者。
コリントス王が死んだこと、オイディプスが王となることを伝えに来他のです。
コリントス王の子であると信じていたオイディプスは「両親を殺す」と神託があったことから、母がまだ健在なので帰れないと告げます。
使者はここで秘密を打ち明けます。
「オイディプス様はコリントス王の実の子ではありません。
自分がテーバイの羊飼いからくるぶしが貫かれた赤子をもらいうけたのです」と。

真相に気付いたイオカステーは、館の中へ。

そこに、田舎に隠れた羊飼いが連れてこられます。
コリントスの使者はそこにいる羊飼いから、王様をもらいうけましたと証言。
羊飼いは「いえ、忘れてしまいました」とごまかしますが、
「言わぬと罰するぞ!」と、オイディプス王。
「両足のくるぶしを刺された赤子がかわいそうで殺せず、コリントのこの者に渡しました。
しかも、その子を預かったのは前王の妃イオカステー様です」
もはや隠すことができない羊飼いは、こう証言しました。
※(刺されて)腫れた足を持てる=オイディプス

ついに真相を知ったオイディプス王
王は急いで、母であり妃でもあるイオカステーの寝室に入ると、母はすでに首を吊って死んでいました。
王は母の着物の留針で、自ら両目を何度も突き刺しました。
その直後、テーバイから追放となり、娘アンティゴネーとともに放浪の旅に出ます。

悪者が一人も出てきません。そして、人の親切心から悲劇になる母子の悲劇、それが『オイディプス王』です。

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※このギリシャ悲劇『オイディプス王』が、ギリシャ神話を読むようになったきっかけです。

イオカステー
〈イメージ〉

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