ゼウス神々の王に ティタノマキア
オリュンポスの神々 vs タイタン神族
ぜウス率いるオリュンポスの神々 vs ゼウスの父クロノス率いるタイタン神族との10年間の戦いを「ティタノマキア」といいます。
タイタン神族とは大地女神ガイアと天界の王だったウラノスとの間の子。6人の男神と6人の女神がいます。よく知られている神はイアペスト(プロメテウスやアトラスの父)、末弟で今の天界の王クロノスなど。ウラノスはクロノスの父です。
「お前の子がいずれ、支配権を奪うだろう」と、ウラノスはクロノスへ予言していました。
そのため、クロノスはレアとの間に生まれてくる子を次々と呑んでしまいます。その仕打ちに耐えられなかった妻レア。最後の子ゼウスを隠れてクレタ島で産むと、石を産衣で包んでクロノスに渡します。クロノスは気づかず、その石を飲み込みました。
成長したゼウスは兄と姉を助けるため、知恵の女神メティスに助けを求めました。メティスはクロノスに吐き薬を与えると、ゼウスの兄姉を吐き出します。
ただちに、ゼウスは兄姉とともにをオリュンポス山に布陣。一方クロノスもタイタン神族とともにオトリュス山に布陣します。
ハールレム〈タイタンの墜落〉
ゼウス完全制覇へ ギガントマキア
神々はギガンテスを殺すことができない!
ティタノマキアに勝利したゼウスは、タイタン神族をタルタロス(奈落)に幽閉してしまいます。
タイタン神族は、大地女神ガイアの子どもです。怒った女神は、新たにギガンテス(巨人族)を生み、ゼウスと戦わせます。これが「ギガントマキア」です。
また、オリュンポスの神々は、ギガンテスを殺すことができません。それを予測していたゼウスは、人間ヘラクレスをアルクメネに産ませていました。
ロマーノ〈ギガントマキア〉
ゼウス、生涯ただ一度の敗北。
ガイアの怒りはいまだ消えず、究極の怪物チュポーンを生みます。この怪物は天にも届き、両手を広げると世界の果てまで達します。両肩からは恐ろしい竜蛇の頭が100も生え出ています。
恐れたオリュンポスの神々は、それぞれ動物に変身してエジプトに逃亡しました。
チュポーンはゼウスの手足の腱を奪い、岩穴に閉じ込めます。ゼウスにとって、生涯ただ一度の敗北です。
はたして、完全に苦境に陥ったゼウスは チュポーンに勝つことができるのか?
プロメテウスが知っているゼウスの秘密
「プロメテウスめ、いまいましい人間どもめ」
プロメテウスは、ただ一人ゼウスに屈しなかった神で、人間をこよなく愛した神です。
ある日、祭壇に生け贄を捧げ、その肉を食べる時のことです。プロメテウスは、一方にはおいしい肉と内蔵を皮で包み、もう一方は固い骨をおいしそうなアブラ肉で包み、ゼウスに選ばせまました。
ゼウスは、固い骨をおいしそうなアブラ肉で包んだ方を選択。ゼウスは内心立腹しましたが、プロメテウスに罰を与えることはありませんでした。
それには、プロメテウスを罰せない理由があったのです。ゼウスには一つ気になることがありました。それは〈自分の子に支配権を奪われる〉こと。しかし「母になる女神、あるいは人間の女は誰なのか?」わかりません。
〈先を見るもの〉プロメテウスだけが、知っている秘密なのです。
しかし、プロメテウスが天界の「火」を盗み人間に与えた時には、さすがにゼウスも罰せざるをえませんでした。こうして、プロメテウスはスキュティア山に縛り付けられたのです。
はたして、「母になる女神、あるいは人間の女は誰なのか?」
→縛られたプロメテウス① 彼だけが知っているゼウスの運命とは?
ベルテレミ〈人間の創造〉