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魔女メーデイア
メーデイアはいい意味でも悪い意味でも、純粋です。イアソーンに一目惚れし、父親に反しても黄金の羊の皮を取る手助けをし、イアソーンと一緒に逃げました。この時、メーデイアの弟も一緒でした。
メーデイアの父の追っ手が近づいてくると、メーデイアは弟を殺し、切り刻んで海に捨てます。追っ手が弟のバラバラな体を集める時間を作り、その間に逃げようとしたのです。殺した弟への悲しみの感情など、いっさいありません。
しかし、このことがイアソーンと周りの人間には、不気味に思われてしまいます。
その後、メーデイアはイアソーンに裏切られ、二人の子供を……
→アルゴー船の大冒険[4]イアソーンとメーデイアの逃亡と最後
…〈メーディアに永遠の愛を誓うイアソン〉
魔女キルケ
「悪女の深情け」という言葉はありますが、「魔女の深情け」という言葉はありません!
魔女キルケは、情の深い魔女です。女神アテーナに止めろと言われるまで、オデュッセウスの世話をし、子供も作っています。
また、魔女であるから、自然の理も、死後の世界もよく理解しています。オデュッセウスが冥界で預言者テイレシアスから助言を得られるよう計らい、その手順まで詳しく教えます。
なぜ魔女キルケは、これほどまでにオデュッセウスを助けたのでしょうか?
恋です。彼女を負かした唯一の人がオデュッセウスだったからです。でも、オデュッセウスはあらかじめヘルメースに、魔女キルケを負かす方法を教わっていたのです。彼女ほどの魔女であるならば、わかっていたはずですが……
→魔女キルケに豚にされるオデュッセウスの部下[第10歌 前編]
ウォーターハウス〈魔女キルケ〉
運命の3女神モイライ
モイラとは「割り当て」という意味で一人称。複数形が「モイライ」です。
- クロトー
紡ぐ者:運命の糸を誕生からつむぎ出す - ラケシス
運命の図柄を描く者:糸の長さや太さを - アトロポス
不可避のもの:最後に糸を断ち切る(死)
運命の3女神が魔女という範疇に入るかどうかは疑問ですが、絵画に描かれた彼女たちは魔女そのものです。
また、運命の女神は、一般的には死の恐怖などからとても人気があります。ですから、人は運命をとても気にかけ、占いにはまってしまう人もいるのです。
あの大神ゼウスだって、運命の3女神には一目置いています。ギガントマキアの戦いで、ゼウスはテュポーンに唯一の敗北をした時、彼女たちに助けられていますから。
ゴヤ〈運命の女神アトロポス〉