1話5分で読めるギリシャ神話

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エロースとプシュケー2 愛は疑いと一緒にはいられない!

プシュケーのふたりの姉の妬みと嫉妬心から、プシュケーには疑う心が生まれてしまいました。そして、エロースは「愛は、疑いと一緒にはいられない!」と言い去っていきます。
しかし、プシュケーは夫エロースへの愛を諦めません。意を決して、エロースの母アフロディーテの神殿に伺います。【プシュケーの3試練】の始まりです。

愛の神殿の中のプシュケー
エドワード・ジョン・ポインター〈愛の神殿の中のプシュケー〉ウォーカー・アート・ギャラリー

プシュケーのふたりの姉

しばらくして、プシュケーは両親やふたりの姉のことを思い出しました。
私がこうして、幸せに暮らしていることを知って欲しい......。
その思いがどんどん強くなり、プシュケーは声の主人にお願いしました。

「どうか、お姉さんたちに会わせてください」
エロースは、しぶしぶながらプシュケーの願いを聞き入れました。

ある日、ゼフィロスがふたりの姉を、宮殿に連れてきました。
ふたりはその立派な宮殿にびっくりしました。また、中に入るとその立派な家具や調度品にも感嘆しました。さらに、目に見えない召使いのもてなしにも溜め息をつきました。

『あぁ、なんで妹の方が、こんな良い暮らしをしているの?』

もちろん、声には出しませんが、ふたりの嫉妬心がムラムラしてきました。

プシュケーのふたり姉の悪意

「お前のだんな様は何をしているのかい?」
「昼間は狩りに出ています、夕方には帰りますわ」
と、プシュケー。
「そんなはずはなかろう」
との姉たちの質問に、
「私も何も知らないの」
とうとう、プシュケーは白状してしまいました。

さらに、ふたりは嫌がらせの質問をします。
「神託では、怪物がお前の夫になる、と言ったではないか」
「そうだ、大蛇に違いない。お前を太らせてから、食べてしまうのだ」
「今夜、ナイフと明かりを用意して、確かめてみた方がいい」
「大蛇だったら、その首を切っておしまい」

エロースとプシュケー
シモン・ヴーエ〈エロースとプシュケー〉

「愛は、疑いと一緒にはいられない!」

姉たちが帰った後、プシュケーは姉たちの言葉にだんだん不安になってきました。
その夜は、こっそりランプとナイフを持って寝室に入りました。エロースが寝入るのを確かめると、プシュケーは手にナイフをもち、ランプを掲げて、とうとうエロースを見てしまったのです。

「まぁ、なんという美しさ!」

プシュケーはその神々しさに動揺し、ランプの熱い油をエロースの肩に落としてしまいました。エロースはビックリして飛びおきました。

「愛は、疑いと一緒にはいられない!」

と、エロースは言うと、その美しい翼を広げ、夜空に飛んでいってしまいました。

その後、プシュケーはエロースを探しまわりましたが、見つかるはずもありません。ふたりの姉のところにも、相談にいきました。ふたりは表面上は心配しましたが、
『これはチャンス!
今度は私が奥さんになれるかもしれない。
そして、あの立派な宮殿に住めるかもしれない』

ふたりともそう思い、次の日に別々に山に登っていくと、ゼフィロスに向かい叫びました。
「私をエロース様のところに連れてって〜」
と、崖から身を投げ出しました。
しかし、ゼフィロスが現れることはありません。ふたりとも、ただたんに崖から落ちて死んでしまいました。

プシュケーの3試練

『どんな、おとがめも覚悟しよう』
プシュケーは意を決して、エロースの母アフロディーテの神殿に伺うことにしました。

「何でもいたします、どうかお許しを」
プシュケーは、必死にお願いしました。

「この恥知らずな娘よ、
エロースはまだ傷が直らず、寝室にこもりっきりだ。
誰がご主人様か、やっと分かったようだな。
よし、おまえが本当に息子にふさわしいか、
おまえの仕事ぶりを見て判断しようじゃないか!」

女神アフロディーテは、言い放ちました。

【プシュケーの3試練】の始まりです。
はたして、プシュケーはこの3試練を乗り越えることができるでしょうか?

エロースとプシュケー3 ▶

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