1話5分で読めるギリシャ神話

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アポローンの残虐 マルシュアス

マルシュアスの皮を剥ぐアポローン
ホセ・デ・リベーラ〈マルシュアスの皮を剥ぐアポローン〉ベルギー王立美術館

アテーナが作った笛

サチュロスのマルシュアスは山野を散策中、アテーナが作ったアウロスというダブルリード(二本管の木管楽器)を見つけました。女神アテーナが発明しましたが、ふく時ほほが膨らむので嫌がり捨てた笛です。

いつしか、マルシュアスは持ち前の器用さから、この笛の名手になり、仲間のサチュロスやニンフに喝采をあびるようになりました。
「自分は世界で一番の音楽家で、自分の笛はアポローンの竪琴より素晴らしい!」と、言うようにまでなっていました。

アポローンとマルシュアスの音楽勝負

それを聞いたアポローンは激怒し、マルシュアスと音楽の勝負をすることになりました。

ルールは、「勝者は敗者に何をしても構わない」
「なにをしても構わない」というのは、サチュロスの性(さが)として性的な意味だとマルシュアスが思っていたのは悲劇的なことでした。

アポローンとマルシュアスの音楽勝負
ヘンドリック・デ・クラーク〈アポローンとマルシュアスの音楽勝負〉

審判はアポローンの従者のムーサたちであったので、マルシュアスにはもともと不利な勝負です。結果は、アポローンの圧倒的な勝利でした。この時ただ一人、マルシュアスの勝ちを主張したのが、あの『王様の耳はロバの耳』のミダス王ででした。

王様の耳はロバの耳】参照

アポローンの残虐

「何をしても構わない」
アポローンは、このルールから残酷な罰をマルシュアスに与えました。松の木に逆さに吊るすと、生きたまま皮を剥がしたのです。マルシュアスは号泣し、許しを乞いましたが、アポローンは無表情のまま皮を剥いでいき、全部剥ぐと吊るしたまま放置しました。

マルシュアスは、そのまま絶命......

まわりで見ていたサチュロスの仲間やニンフは、マルシュアスの苦しみを思い、涙を流しました。大地はその涙でぬれ、泉となり、川となりました。これがフリュギアの地(トルコ中西部)で、もっとも水が澄んだマルシュアス川のできたいわれです。

ホメロスは『イリアス』でアポローンをこう描写しています。
「怒れる神の肩の上では、動きにつれて矢がカラカラと鳴り、降りゆく神の姿は夜の闇の如くに見えた」と。こうして、アポローンはギリシャの兵士を次々に射殺した。

アポローンと妹アルテミスの残虐の行為は、こちらを参照してください。
ニオベーの悲哀

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