アートバイブル
絵画でイメージしやすい! アートバイブル 聖書
はとバス・日帰りバスツアー 私の体験記
はとバス・日帰りバスツアー 私の体験記

1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードを絵画から分かりやすくまとめています。ギリシャ神話は美術を鑑賞する時、必ずあなたの役に立ち想像力を羽ばたかせてくれます。

オデュッセウスとナウシカア 前編

ナウシカア
リュシアン・シモン〈ナウシカア〉

オデュッセイア 第六歌

カリュプソ島の船出〉後、オデュッセウスは数々の苦難を乗り越え、パイエケス人の住む島に着きました。彼は河が海に流れ着く岸辺の茂みの中に、くたくたの体を横たえました。そんなオデュッセウスのために、女神アテーナは眠りをふりかけてやりました。また、女神はパイエケス国の王女ナウシカアに、彼を発見させるための策もとりました。

ナウシカア、河へ洗濯に出発

ナウシカア王女の友デュマスの娘に化けた女神アテーナは、まどろんでいる王女の夢枕に立つと
「ナウシカア、あなたの母上はどうしてこんなにもだらしない娘をお産みになられたのかしら。たくさんの立派な衣装が放ったらかしです。国中の貴公子があなたを妻にと望んでおられるのですから、夜が明けたらすぐに洗濯に出かけましょう。わたしもお手伝いいたしますわ」

ナウシカアは眼が覚めると、父親アルキノオス王にたのみました。
「お父さま、弟たちの着物を洗いに河に行きたいので、しっかりした馬車を用意してくださいませ」
王である父は快諾して、
「娘よ、行くがよい。すぐにしっかりした馬車を用意させよう」
母アレテは、食べ物とぶどう酒、水浴した後に塗る上等なオリーブ油もナウシカアにもたせました。王女は馬車の手綱を取り、出発しました。女中たちがその後を歩いて行きます。

オデュッセウスとナウシカア
ピエール=アンリ・ド・ヴァランシエンヌ〈オデュッセウスとナウシカア〉

やがて、ナウシカア一行は、美しい流れの河につきました。女中のひとりは馬を馬車から放つと、水辺の新鮮な草を食べさせました。また、女中たちは洗濯物を河に運び、足で踏んで洗います。きれいになった洗濯物は、水辺のきれいな石の上に広げてます。その後、洗濯物が乾くまで、ナウシカアと女中たちは水浴し、オリーブ油を体に塗り、食事を取りました。

目覚めるオデュッセウス

食事がすむと、ナウシカアたちは歌を歌いながら、まり遊びを始めました。そんなナウシカアは、まるでニンフたちの中でもひときわ目立つ女神アルテミスのよう、その美しさは際立っています。
ここで女神アテーナは、一策を思いつきました。ナウシカアのけったまりが女中を外れ、河の中に落とさせました。女中たちは大きな声をあげました。その声に、眠っているオデュッセウスの目を覚まさせたのです。

「なにやら、若い女たちの声がする、それともニンフたちの声であろうか。今度は、私はどんな国に来たのであろう。どんな試練が待っているのであろうか」
そう思ったオデュッセウスですが、今は助けが必要な身です。彼は裸でしたので、小枝を折りとると葉で陰部を隠し、女たちの前に進み出ました。その姿は海水に浸かっていたため見るも恐ろしい、まるで山の中で育った熊や猪のようです。現れた彼を見ると、女中たちはみんな馬車の陰に隠れました。が、ナウシカアだけは、逃げなかったのです。それもそのはず、女神アテーナが王女に勇気を吹き込んでいたからです。

オデュッセウスとナウシカア 後編