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三界の妃ヘラ、アムピトリテ、ペルセポネ

天界ゼウスの王妃〈嫉妬深い〉ヘラ

ヘラには、気の毒なくらい〈嫉妬深い〉イメージがついています。ゼウスが浮気するたびに彼女は怒ります。しかし、ヘラの鬱憤は、ゼウスには向けられず、浮気相手やその子供に向かいます。

エウロペ、イーオーなどは、苦難の旅をさせられます。ヘラクレスは次期ミュケーナイ王の地位を約束されていましたが、ヘラにより、母アルメネーへの嫉妬から王座をエウリュステウスに奪われます。

また、レトがアポロンとアルテミスを出産する時、ヘラは「日の光の下では、絶対に生ませてはならぬ」という命令を全世界に布告。もはやレトには不安定な浮き島ロードス島しか、産む場所は残っていませんでした。

〈嫉妬深い〉ヘラですが、ヘラだって美しい乙女の時代があったのです......

嫉妬するヘラ、ゼウスの浮気に大いに語る!

ヘラとゼウス〈トロイア戦争時、ゼウスを誘惑するヘラ〉

海神ポセイドン王妃アムピトリテ

「ポセイドンの奥さんは、誰だか知っていますか?」
と聞かれても、答えられる人は少ないと思います。3人の妃の中では、彼女は一番ギリシャ神話に登場しません。

じつは、アムピトリテは「トリトンの母」なのです。手塚治虫のマンガ『海のトリトン』を覚えている方は多いでしょう。

でも、ギリシャ神話に出てくるトリトーンは、可愛くありません。むしろ、怪物です。

ある日、アンドロメダの母であるエチオピアの王妃カシオペアが口を滑らせました。

「私やアンドロメダの美しさには、海のニンフですらかなわないでしょう!」

海のニンフたちの父は、「海の老人」ネレウス。彼の父がポセイドンです。だから、孫娘を侮辱されたとして、ポセイドンは怪物ティアマトをエチオピアに送ります。

明記されていませんが、たぶんティアマトはアムピトリテが飼っていた怪物です。

アムピトリテには、ポセイドンに求婚された神話以外はありません。しかし、彼女は絵画や彫刻には多く登場しています。

ポセイドンとアムピトリテ

アムピトリテとポセイドン〈アムピトリテとポセイドン〉

冥界ハデス王妃ペルセポネ

ペルセポネはハデスに誘拐されたこと以外はあまり出てきません。出てきたとしても、冥王の横に座っていて無言です。オルフェウスが冥界に行った時も、彼女は一言も話すことはありません。

実はペルセポネがハデスに誘拐されたのは、美の女神アフロディテの嫌がらせからなのです。

女神は息子エロスに言います。
「アテナやアルテミスは、恋にしか関心がないと私をバカにしている。豊穣の女神の娘ペルセポネも二人をまねして......。ああ、いまいましい! ハデスの胸に恋狂いの矢を一本射っておやり」

こうして、エロスの矢に射られたハデスは、ペルセポネを誘拐します。この時の母である豊穣の女神デメテルの苦悩の旅は、多く語られています。

しかし、やっとかなった母娘の再会の時も、ペルセポネは母に会えた喜びを声に出していません。

ペルセポネが、唯一怒りを表したギリシャ神話が1つあります。それが、以下です。

ミミズクの話とペルセポネを海まで探し回ったセイレーンたち

オルフェウスとハデス・ペルセポネオルフェウスとハデスとペルセポネ