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はとバス・日帰りバスツアー 私の体験記
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1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードを絵画から分かりやすくまとめています。ギリシャ神話は美術を鑑賞する時、必ずあなたの役に立ち想像力を羽ばたかせてくれます。

アルゴー船の遠征 1

アルゴー船の遠征
コンスタンティン・ヴォラナキス〈アルゴー船〉

王子プリクソスと王女ヘラー

テッサリアにアタマース王と王妃ネペレーの国があり、二人には王子プリクソスと王女ヘラーという子供がいました。

やがて、王はネペレーに冷淡になり離縁、新妻イーノーをめとりました。前妻ネペレーは「イーノーが子供たちに悪く当たるのではないか」と、心配になりました。

そのころ、イーノーはある計略を立てて、保存してあった穀物の種をあぶって芽が出ないようにし、その年を飢饉にしました。

アタマース王は飢饉の原因を突き止めるため、神託をあおごうとデルポイに伝令を送りました。これを待っていたイーノーは伝令を買収し、「二人の子供をゼウスの生け贄に捧げよ」との嘘の神託を王に告げさせました。

黄金の毛皮の牡羊

二人の子供が生贄にされ、今にも殺されそうになった時です。ヘルメースが黄金の毛皮の牡羊をつかわし、二人を助け、天高く運びあげさせました。牡羊は東へと飛んで行きます。

ヨーロッパとアジアの境まできた時、王女ヘレーは誤って落ちてしまいました。落ちた場所はヘレースポンテス(ヘラーの海)と呼ばれました。今のダーダネルズ海峡です。

牡羊はさらに東へと飛んで行き、黒海の東海岸の国コルキスに到着。王子プリクソスは、コルキス王アイエーテースの歓迎を受け、王の娘と結婚することとなりました。

プリクソスは牡羊をゼウスに捧げ、コルキス王には牡羊の黄金の毛皮を進呈。王はその毛皮を神に捧げた森の中に隠し、眠りを知らぬ竜に守らせることにしました。

老婆に化けた女神ヘーラー

一方、テッサリアのアタマース王国の隣りにイオルコスという国がありました。アタマース王の親族アイソーン王の国です。王は政治に嫌気がさし、息子イアソーンが成人するまでということで、王権を弟のペリアースにゆだねました。

王子イアソーンはケンタウロス族のケイローンの教育を長い間受けて成長しましたので、イオルコスに帰ってくることになりました。帰途の河岸で老婆が困っていましたので、イアソーンは老婆を背負って河を渡りました。この時、片方のサンダルを流してしまいました。実は、この老婆は女神ヘーラーだったのです。

アルゴナウタイの出発
ドッソ・ドッシ〈アルゴナウタイの出発〉ナショナル・ギャラリー(ワシントン)

王子イアソーンの帰還

イアソーンは、イオルコスに着くと王宮を訪ねました。叔父ペリアースは片方のサンダルしか履いていないこの若者を見ると、かつての神託を思い出しました。
〈片方のサンダルしか履いていない者に、王位を奪われるであろう〉

しかし、ペリアースは嫌な顔ひとつ見せず、イアソーンと思い出話をし、最後に頼みごとをしました。
「親族のプリクソスが『黄金の牡羊の毛皮を取りにきてくれ、そして私の魂を慰めてくれ』と夢枕に立つんだ。どうだろう、もともと黄金の牡羊の毛皮は家宝でもあるし、取りにいってもらえないだろうか?」

(どうせ、途中で殺されるだろう。コルキスに着いたとしても、そこの王に殺されるだろう)
イアソーンは、叔父の真意を知りつつも受諾しました。

アルゴスが造った船〈アルゴー号〉と乗員アルゴナウタイ

まずは大きな船が必要です。イアソーンは50人も乗れる大きな船を工匠アルゴスに頼みました。当時はカヌー程度の舟しかなかったので、前代未聞の大きな船です。そして、アルゴスが造った船だったので〈アルゴー号〉と名付けられました。

次にイアソーンは乗組員を募集。ヘラクレス、テーテウス、オルフェウスなど、当時の英雄達が集まり、彼らはアルゴナウタイ〈アルゴー号の乗組員〉と呼ばれました。そうそうたるメンバーが集まったのは、女神ヘーラーの助けがあったからです。

〈アルゴー船の遠征〉の始まりです。

アルゴー船の遠征2▶