1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードが、絵画で分かりやすい。また、ギリシャ神話はあなたの美術鑑賞に役立ちます。〈1話5分で読める聖書-アートバイブル

ペルセウスとメドゥーサ

(更新日:2021.03.17)

怒りの原因になったメドゥーサのみは死すべき運命で、ペルセウスに殺されてしまいました。
残された二人の姉は不死でした。不死とはいえ、怪物です。二人の姉は、どんな思いで今も生きているのでしょうか。
また、ペルセウスに妹メドゥーサが殺された時、二人の姉はどうしていたのでしょうか。

メドゥーサの頭部
ピーテル・パウル・ルーベンス〈メドゥーサの頭部〉

セリポス島の王ポリュデクテス、ペルセウスの母ダナエーへの邪恋

父王アクリシオスによって、流されたダナエーとペルセウスはセリポス島に漂着。島の王ポリュデクテスの弟、漁師のディクテュスに助けられました。

しばらく平穏に暮らしていましたが、新たな災いが母ダナエーに降りかかります。その美しさに島の王ポリュデクテスが、言い寄ってきたのです。青年になっていたペルセウスは、なんとか母親を守ろうとしていました。

ポリュデクテス王は、ここでペルセウスを殺す一計を案じます。島を荒らしているメドゥーサを退治するよう、ペルセウスに命じたのです。

メドゥーサ(女王)は三姉妹

海の神(怪物)である兄ポルキュスは、妹のケートーと結婚しました。
その子であるメドゥーサ(女王)には、姉にステンノー(強い女)、エウリュアレー(広くさまよう、あるいは遠くに飛ぶ女)がいました。
また、三老女のグライアイは姉妹です。
だから、ペルセウスはグライアイ三姉妹のところを訪ねました。彼は三人で共用していた一つの目を奪い、強引にメドゥーサの居所を教えさせたのです。

メドゥーサ
ヤチェク・マルチェフスキ〈メドゥーサ〉

女神アテーナと美しさを競ったメドゥーサ

メドゥーサは、もとは美しい乙女でした。特にその髪をとても自慢にしていました。
人間によくあるおごりたかぶる彼女の心が、女神アテーナと美しさを競わせたのです。
とうぜん怒った女神はメドゥーサの美貌を取り上げ、彼女の自慢の髪はシューシューと音をたてる蛇に変えてしまったのです。
また、ポセイドーンがメドゥーサが交わった場所が女神アテーナの神殿であったことも、彼女が怪物にされた理由の一つです。

女神アテーナの怒りは凄まじく、彼女の二人の姉も一緒に怪物ゴルゴンに変えてしまいました。
その目を見たものは石になってしまうという恐ろしい怪物です。
ただし、怒りの原因になったメドゥーサのみが死すべき運命で、二人の姉は不死でした。不死とはいえ、怪物です。二人の姉は、どんな思いで今も生きているのでしょうか。

メドゥーサの血からペガサスが誕生

ペルセウスは父ゼウスの計らいもあって、ヘルメースからは空飛ぶサンダル、アテーナからは輝く盾を借りうけ、メドゥーサの住処へと向かいます。
彼は眠っているメドゥーサに忍び寄り、輝く楯に映った彼女の姿を見ながら、その首を切り落としたのです。その首はキビシスという特別な袋に入れて持ち帰りました。
この時、流れたメドゥーサの血からペガサスが生まれたといわれています。メドゥーサのもとの美しい乙女の化身でしょうか?

やがて、ペルセウスはその首を女神アテーナに捧げると、女神はアイギスの楯の中央にはめこみました。

殺されたメドゥーサと二人の姉

(楯の描写:ヘシオドス 作『ヘレクレスの楯』より)
ダナエーの子ペルセウスその人は、おののき慌てふためく者の如く、全速で走る。近づきがたく、名状しがたいゴルゴンたち(2人の姉)が、彼を掴まえんものと追いすがる。蒼白い不壊金剛の表面で彼女らが動くと、楯は鋭く高く、轟々の響きを上げる。その帯にはニ匹の蛇が、鎌首をもたげて垂れ下っている。蛇どもはチロチロと舌を動かし、凄まじい形相で、力まかせに牙を研ぐ。ゴルゴーンたちの怖るべき頭の上で、大恐慌が湧き上がる。

メドゥーサの頭部
カラヴァッジオ〈メドゥーサ〉

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