1話5分で読めるギリシャ神話

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ゼウス神々の王に ティタノマキア

ティタノマキアの勝利によりゼウスの神々の王に
コルネリス・ハールレム〈ティーターンの墜落〉デンマーク・ナショナル・ギャラリー

カオスから最初に生まれたのが、大地の女神ガイア。
ガイアは独力で天空ウラノス、山々、海を生みました。その後、ウラノスとの間にティーターンと呼ばれるクロノス、レア、オケアノスなど男女12神を生みだしました。その後、ガイアは2組の3つ子を生みました。1つ目巨人キュクロプス3人、50の頭と100本の手を持つヘカトンケイル(百手)3人です。

ウラノスは、彼らの醜さを嫌い、縛り上げ、地底に閉じ込めてしまいました。この仕打ちに、母ガイアは憤慨。アダマスという固い金属を生むと、それを刃にした鎌を作り、ティーターンにウラノスに復讐することを命じました。そこで名乗りを上げたのが、末弟でも知恵と力のあるクロノスでした。

ウラノスがやってきて、ガイアを抱こうとすると、ガイアの背後から出てきたクロノスが、ウラノスの性器を鎌で刈り取りました。この男根を海に投げ入れたところが泡立ち、あの女神アフロディーテが誕生したのです。

ウラノスは子を作る能力を失い失墜し、クロノスが天地を支配することになりました。

我が子を食らうサトゥルヌス(クロノス)
ゴヤ〈我が子を食らうサトゥルヌス(クロノス)〉プラド美術館

クロノスは、ティーターンの姉のレアと結婚し、女神ヘスティア、デーメーテル、ヘーラ、男神ハーデース、ポセイドーンを生みました。「レアから生まれた子に、支配権を奪われるだろう」とウラノスに言われていたクロノスは、生まれると我が子を次々に飲み込んでしまいました。

嘆き悲しんだレアは、新たに身ごもった子だけは助けたいと思い、母のガイアの助言でクレタ島で密かに出産しました。この子を洞くつに隠すと、石を産着でくるみ、クロノスに渡しました。受け取ると、クロノスはすぐ飲み込んでしまいました。

助かった子が、ゼウスです。

ゼウスは成長すると、クロノスに飲み込まれた兄と姉たちを助け出すことを決意し、知恵の女神メティスに助力を求めました。メティスはクロノスに吐き薬を飲ませると、クロノスは始めに石を、次に兄と姉たちを吐き出しました。

兄と姉たちを助け出すと、ゼウスたちはオリンポス山に布陣し、オトリュス山に布陣したティーターンに戦いを挑みました。ティタノマキアの戦いで、10年も続いたのです。

実力が伯仲している時、ガイアがゼウスに助言しました。
「ウラノスが地中深く閉じ込めた、キュプロプスとヘカトンヘイルを助け出し、味方につけるがよい」
解放されたキュクロプスは、ゼウスには万物を破壊し燃やしつくす雷霆、ポセイドーンには大海と大陸を支配する三叉の矛、ハーデースには姿を見えなくする隠れ帽を提供しました。ヘカトンケイルは、その怪力で巨岩を100本の手で投げつけました。ティーターンたちは、デウスの雷で目をやられ、巨岩に押し潰され、ついに白旗を上げました。

ティタノマキアを制した後、クジ引きで、ゼウスが天界、ポセイドンが海、ハーデースが冥界を支配することになりました。天界(全宇宙)を支配するゼウスが、こうして神々の王になったのです。

ティーターンたちは、地底の暗黒界タルタロスに封じ込められ、中でもゼウスたちを最後まで苦しめたイアペトスの息子アトラスは、天球を支える過酷な刑を受けることになったのです。

この後、ギガントマキア(巨人族戦争)が起こり、特にチュポーンがゼウス達を窮地に追い込みます。

巨人の秋
ルーベンス〈巨人の秋〉