1話5分で読めるギリシャ神話

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ボレアスとオレイテュイア

冥界の王ハーデースのペルセポネーの略奪は有名なギリシャ神話ですが、このボレアスによるオレイテュイアの略奪を知っている人は少ないと思います。そのため、『ペルセポネーの略奪』の絵画と彫刻は、数多くの素晴らしい傑作がありますが、『オレイテュイアの略奪』の絵画は残念ながら一枚も見つかりませんでした。
ボレアスの翼と美しい乙女の体がモチーフになれば、ベルニーニの『ペルセポネーの略奪』と同様の傑作が生まれたはずなのですが……。

ボレアスによるオレイテュイア略奪
〈ボレアースによるオレイテュイア略奪〉ルーヴル美術館

美貌の2人の姉妹プロクリスとオレイテュイア

プロクネとピロメラの悲劇から、父親のアテーナイ王パンディオンは死期を早めました。
パンディオン王の息子エレクテウスが次の王になり、彼には4人の娘がいました。その中でも、美貌の2人の姉妹がプロクリスとオレイテュイアです。

北風の神ボレアスのオレイチュイアへの求婚

プロクリスはこのころはケパロスに嫁いで、まだ幸せに暮らしていました。もう一人の娘オレイテュイアに恋をしたのが、蛮族の王テーレウスと同郷(トラキア)の北風の神ボレアスでした。

北風の神ボレアスはテーレウスの野蛮さを知っていましたし、またその最後も知っていました。だから、オレイテュイアとその父エレクテウスには、優しさを持って妻にと懇願していたのです。しかし、彼女と父親は、けっして首を縦に振りませんでした。

ボレアス、元来の粗暴さを現す。

とうとう、業を煮やしたボレアスは、元来の粗暴さを現すことになったのです。
「凶暴、怒り、脅し、それが俺の武器なのだ。なぜ、もっと早く、それらを使わなかったのか!ペコペコお願いするのは、俺の流儀ではないのだ。俺は暴力によって雲を追い払い、海を荒らし、硬い樫の大木さえなぎ倒すのだ。西風、東風、南風の兄弟たちと格闘するのは、俺の縄張り大空なのだ。

この俺たち兄弟の衝突で、黒雲から稲妻が光り大音響が響き、大地を揺るがす。この本来の俺の力で、オレイテュイアを妻にするべきであったのだ。エレクテウスを舅にするのに、頭をペコペコ下げるべきではなかったのだ」

オレイテュイアの略奪

こう叫ぶと、北風の神ボレアスは翼を広げました。その羽ばたきは、海の波は逆立てさせ、大地を震えさせました。そして、怯えるオレイテュイアを抱き上げると、北の故郷トラキアへと運んで行ったのです。ついに、ボレアスは強引に、オレイテュイアを妃にしてしまったのです。

こうして、ボレアスとオレイテュイアの二人からは、双子の男子が生まれました。カライスとゼテスです。二人が小さいうちは、翼は生えていませんでしたが、青年になると父親と同じように翼が生えてきました。そして、この二人の青年は、イアソーンのアルゴー船の乗組員(アルゴナウタイ)になり、あの怪鳥ハルピュイアを倒すことになるので。

ハルピュイア
ヤン・エラスムス・クェリヌス〈ハルピュイアの追跡〉
この二人の若者が、カライスとゼテスですね。

プロクネとピロメラ姉妹、蛮族の王テーレウス1】参照

ケパロスとプロクリス】参照

アルゴー船の遠征 2 予言者ピーネウスと怪鳥ハルピュイア】参照

ボレアース(ボレアス)について(ウィキペディアより)

アテーナイの人々はボレアースを姻戚による親類と見なすようになった。アテーナイがクセルクセスにより脅かされたとき、人々はボレアースに祈りを捧げ、ボレアースは暴風で400隻のペルシアの船を沈めたと伝えられている。同様の出来事がその12年前に起こっており、ヘロドトスは以下の様に記している。

「私はペルシアの舟が暴風により難破したというのが本当かどうか断言することはできないが、アテーナイの人々はボレアースが以前に彼らを救ったようにして、この奇跡を起こしたのであると信じている。そして、アテーナイの人々は故郷に帰還すると、イーリッソス河にボレアースの神殿を建造した」

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