ギリシャ神話にまともな神はいないのでしょうか?
この記事では、ギリシャ神話に登場する裏切りの神々を7柱紹介します。筆頭は泥棒の神ヘルメス、妻ヘラーを裏切る浮気者ゼウスです。
一方、裏切りと言っても、プロメテウスの場合は神々への裏切りであり、人類にとっては救いでした。
また、ギリシャ神話に登場する裏切りの神々から私たちが学べる教訓についても考察していきます。
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目次
ギリシャ神話に裏切りの神々7柱
ギリシャ神話には、信じられないような裏切りのエピソードを持つ神々が数多く登場します。以下では、特に有名な7柱を紹介し、その驚くべき裏切りの物語に迫ります。
①ヘルメス:泥棒の神としての一面
ヘルメスは伝令神ですが、同時に策略と詐欺の達人でもありました。彼のずる賢さと裏切りの性質を象徴するエピソードとして、赤ん坊の頃から見せた抜け目のなさが有名です。
まだ赤ん坊だったヘルメスは、兄アポロンの聖なる牛を盗むという大胆な行動に出ました。牛の足跡が見つからないよう逆向きに歩かせ、道中ではサンダルを使って自分の足跡を消すなど、あらゆる策を駆使して牛を隠しました。
②ゼウス:仲間も妻も裏切る全能の神
全能の神ゼウスは、神々の王として君臨していながら、しばしば裏切りを繰り返しました。彼は結婚後も数え切れないほどの女性と関係を持ち、妻ヘラを怒らせてきました。
有名な浮気相手にはエウロペやイオがいます。また、美しいニンフのカリストとも関係を持ちましたが、これに怒ったヘラは、カリストを熊に変えてしまいました。
ゼウスは他の神々とも策略を巡らせ、王座を維持するために兄弟や部下を裏切ることもありました。
③ヘラ:トロイア戦争でゼウスを誘惑?
トロイア戦争の最中、ゼウスはトロイア軍を支援しようとしていましたが、ギリシャ軍を助けたいヘラは一計を案じます。
ヘラは愛と誘惑の象徴である女神アフロディテから「ケストス」という魔法の帯を借り、ゼウスの心を完全に虜にします。ケストスを身に着けたヘラは、ゼウスを魅了し、彼の気を戦場から逸らすことに成功しました。
その間にギリシャ軍は戦況を有利に進め、トロイア軍を圧倒します。
ケストスを身に着けたヘラとゼウス
④アフロディテ:愛と裏切りの女神
愛と美の女神アフロディテは、裏切りと誘惑の象徴でもありました。彼女は正式な夫であるヘパイストスを何度も裏切り、戦神アレスとの情事に溺れていました。
このスキャンダラスな関係は、オリンポスの神々の間で大いに話題となり、夫ヘパイストスが神々の前で二人を捕らえたエピソードは有名です。
また、少年アドニスへの愛や、トロイアの武将アンキセス(アイネイアスの父)との恋など、アフロディテの恋愛における裏切りは多彩です。
⑤アレス:戦争と裏切りの神
アレスと愛の女神アフロディテは密かな関係を持ち、夫であるヘパイストスを裏切りました。二人の密会は、最終的にヘパイストスによって暴かれ、オリンポスの神々の前で恥をかかされることになりました。
また、アレスは戦場でもしばしば仲間を裏切り、勝利のためならどんな卑怯な手段にも手を染めました。彼の行動は、戦争がいかに冷酷で無慈悲なものかを象徴しています。
アレスと愛の女神アフロディテ
⑥アポロン:人間への裏切りと試練
アポロンば、トロイアの王女カッサンドラに予言の力を授ける代わりに愛を求めましたが、彼女が拒んだため、その予言の力を無効にしてしまいました。カッサンドラの警告は無視され、トロイアは滅亡へと向かいました。
一方、アポロン自身も裏切られたことがあります。彼は恋人コロニスが別の男性と関係を持ったと知り、怒りのあまり彼女を殺害。しかし後悔し、報告したカラスの羽を白から黒に変えてしまったのです
⑦プロメテウス:神々を裏切りながらも人類を救った英雄
プロメテウスは、ゼウスの命令に背いて人類に火を与えたため、厳しい罰を受けました。
彼の行動は、表面的には神々への裏切りと見なされましたが、実際には人間への深い慈悲から来るものでした。
彼の犠牲的な裏切りは、私利私欲ではなく、他者への善意に基づいたものであり、他の裏切りとは一線を画しています。
裏切りの神々から学ぶ教訓
ギリシャ神話における神々の裏切りは、単なる悪行にとどまらず、時に重要な教訓を含んでいます。たとえば、ゼウスの策略やプロメテウスの人間への献身には、複雑な動機が潜んでいます。
さらに、神話に描かれた裏切りのエピソードは、今日の物語や映画、文学などに大きな影響を与えています。人間の欲望や葛藤、信頼と裏切りといったテーマは、時代を超えて普遍的なものとして語り継がれています。
ギリシャ神話の裏切りの神々を知ることで、現代の人間関係や社会のあり方を再考するきっかけになるでしょう。
ギリシャ神話のまともな神はいない?[裏切りの神々]まとめ
ギリシャ神話にまともな神はいないのでしょうか?
この記事では、ギリシャ神話に登場する裏切りの7柱の神々—ヘルメス、ゼウス、ヘラ、アフロディテ、アレス、アポロン、プロメテウス—のエピソードをご紹介しました。
しかし、裏切りと言っても、プロメテウスの場合は神々への裏切りであり、人類にとっては救いでした。
裏切りの行動の背後には深い教訓が隠されています。善悪が曖昧な神々のエピソードを通して、私たちは人間の本質や道徳について考えることができます。
神話の中の裏切りから、現代社会に生きる私たちへのメッセージを受け取ることで、新たな視点が得られるでしょう。
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