1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードが、絵画で分かりやすい。また、ギリシャ神話はあなたの美術鑑賞に役立ちます。〈1話5分で読める聖書-アートバイブル

オルフェウスとエウリュディケー

(更新日:2021.04.26)

オルフェウス
〈オルフェウス〉

音楽の神アポローンの子オルフェウス

オルフェウスは、音楽の神アポローンとムーサ(文芸の女神)のカリオペ―の息子。オルフェウスが父から贈られた竪琴を奏でると、人や野獣も心が和らぎ、彼の周りに集まってきます。また、木や岩でさえもその魅力を感じ、岩は柔らかくなったといいます。

オルフェウスとニンフのエウリュディケーが結婚した日、結婚の男神ヒュメナイオスも招待されていました。この神は幸福な前兆を持ってこないで、神の手にする松明は主役の二人の目に涙を流れさせます。このことと符合するかのように、後にエウリュディケーの身に不幸が起こります。

毒蛇に噛まれるエウリュディケー

ある日、アリスタイオスという羊飼いが「何て美しい乙女なんだ!」と散歩中のエウリュディケーに言い寄ってきました。すぐに彼女は逃げましたが、草むらにいた毒蛇を踏みつけ、足を噛まれて死んでしまったのです。

オルフェウスはその悲しみを歌にし、神々や人々、あらゆるものに訴えました。しかし、何の甲斐もないことを知ると、冥界に行って妻を探そうとと決心します。タイナロス岬にある洞窟から降りていき、ステュクスの河辺の霊の群がる中を通りぬけ、渡し守カロンと冥界を守る怪物ケルベロスさえも、その竪琴で和ませ、オルフェウスはついに冥界にやってきました。

オルフェウスは、冥界の王ハーデースとその妃ペルセポネーの玉座の前にすすみ出ます。

オルフェウスとエウリュディケー、冥界の王ハーデース夫妻
〈オルフェウスとエウリュディケー、冥界の王ハーデース夫妻〉

オルフェウス、冥界の王ハーデースに願う

オルフェウスは、竪琴の調べに合わせて歌います。
「冥界の王ハーデースとお妃ペルセポネー様。私は冥界タルタロスの秘密を探るためではなく、また竪琴の調べで冥界を屈服させようとしてきたのではありません。ただ、毒蛇によって若死にした妻エウリュディケーを探しに来たのです。どうか妻の命の糸をもう一度結び合わせてください。私たちの命は、いずれあなた方のもとへと定められていますから」

お妃ペルセポネーはオルフェウスの願いに心を動かされ、冥界の王ハーデースも彼の願いを拒むことはできません。そして、エウリュディケーが呼び出されました。彼女は、まだ毒蛇にかまれた足をひきずっています。

ただし、冥界の王は一つの条件をつけました。
「地上に出るまでは、オルフェウスはけっして振り返って妻を見てはいけない」

オルフェウスとエウリュディケー別れ

喜んだオルフェウスが先に、エウリュディケーが後からついていきます。二人は、沈黙の暗い坂道を登っていきます。そして、地上までもう少しでたどり着こうとした時、オルフェウスは冥界の王の条件を忘れ、妻が付いてきているか心配で振り返ってしまったのです。

すると、エウリュディケーはたちまち後ろへ引き戻されていきました。二人は手を伸ばしましたが、もはや触れることはできません。
「さようなら、これが最後のお別れです...」

地上に戻ったオルフェウスは、再び冥界に行けるようステュクス河の渡し守カロンに頼みましたが、それはかないません。その後、彼は7日のあいだ川岸に食事も睡眠もとらず座り込んでいました。ただただ、竪琴に合わせ神々の無慈悲を訴えていました。

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