怪物の誕生には、切ない物語が...
メドゥーサ(女王)は、髪のきれいな乙女でした。が、若気のいたりでちょっぴり自慢して「私はアテーナ様より美しい」と言ったことから、女神によってあの怪物ゴルゴンにさせられてしまいました。
ミノタウロスには、悪いところは一切ないのです。ラビリンスの中で、与えられた人間を食わなければ生きていけない、だけなのです。
父親であるクレータ島のミーノース王がポセイドーンから借りた白い牡牛を返さなかったので、母がその牡牛を恋する罰を与えられたのでした。結果、ミノタウロスが生まれたのです。
そして、ギリシャ神話史上最大最強の怪物チュポーン。ゼウスが大地女神ガイアの子であるティーターン神族と巨人ギガンテスをひどい仕打ちにしたことから、母ガイアが怒って生まれた子なのです。
そんなちょっぴり悲しい物語を読んでみてください。
ペルセウスに首を切られたメドゥーサ
後にゴルゴンと呼ばれたメドゥーサ三姉妹は、髪は生きた蛇で、その目を見たものは石になってしまいます。そして、メドゥーサのみが不死ではありませんでした。
メドゥーサはもとは美しい乙女で、その髪をとても自慢にしていました。ところが女神アテーナと美しさを競ったため、その美貌を取り上げられ、髪はシューシュー音をたてる蛇に変えられてしまったのです。
はたして、ゴルゴンたちは変身後の自分を見たことがあるのでしょうか? また見た場合、彼女たち自身が石になってしまうのでしょうか? 知りたくはありませんか?
ミノタウロスはラビリンスの中
クレータ島のミーノース王は、海神ポセイドーンから借りた白い牡牛があまりに素晴らしかったので、儀式の時返すはずのその牡牛を返さなかったのです。
海神は怒り、なんと王の妃パーシパエーにその白い牡牛を恋するよう、狂わせたのです。こうして生まれたのが、牛頭で人間の体を持ったミノタウロスでした。
ミーノース王はそんなミノタウロスを、ダイダロスに作らせたラビリンス(迷宮)に閉じ込めてしまいます。食料はアテナイからの生け贄少年7人、少女7人。いずれその中に、英雄テーセウスが入ってやってきます。
ギガントマキアの後に出現したチュポーン
ティーターン神族も巨人ギガンテスも、母親は大地女神ガイア。息子たちをゼウスのオリュンポスの神々に閉じ込められたり、殺されて怒りが収まらない女神。
とうとう、究極の怪物ともいうべきチュポーンをタルタロス(奈落でなく原初の神々の一人)との間に生み落としました。チュポーンの大きさは、頭は天に届き、両腕を広げると世界の果てにまで達します。また、その両肩からは恐ろしい竜蛇の頭が百も生え出ています。
このチュポーンに、ゼウスは生涯ただ一回の敗北をします。