※本ページにはプロモーションが含まれています。

テーセウス〈英雄テーセウスですが...〉

独身になったテーセウスとペイリトオス

アテナイの王になって、2度目の妻パイドラーが死んだ同じ頃、親友ペイリトオスの奥さんヒッポダメイアも死にました。そこで、ふたりは相談します。

ペイリトオス
「どうだろう、あのゼウスの娘でも新しい奥さんにしたら、
な〜んかよくない?」
テーセウス
「うん、いいかも!」
ペイリトオス
「おれ、冥界の王妃ペルセポネーがいいな。
あの愁いのある顔が、なんとも魅力的なんだ?」
テーセウス
「おれは、スパルタで評判の美少女ヘレネーがいいな」

この時点で2人ともアウト!
ペルセポネーは、冥界の王ハーデースの現在の奥さんです。ペイリトオスって、他人のものを奪うのが好きなのかもしれません。そもそも、彼はテーセウスの牛を盗みにきて、2人は親友になったのです。また、テーセウスは「ロリコン」かもしれません? この頃のヘレネーは、まだ10代です。

ヘレネとサイコロで遊ぶテセウスとペイリトオス〈ヘレネとサイコロで遊ぶテセウスとペイリトオス〉

テーセウスとペイリトオス、冥界へ

アウトであっても、2人はなにも考えず実行あるのみ。もともと、この2人は英雄です。誘拐ぐらいは簡単なことだったのでしょう。

スパルタからヘレネーを簡単に誘拐してきました。それでも、スパルタともめるのは嫌でしたので、ヘレネーをテーセウスの母アイトラーにあずけ、隠しました。

その後、ペルセポネーを選んだのは、ゼウスの「わが娘でもっとも高貴なペルセポネーをなぜ妻としないのか」との神託からでした。しかし、ゼウスが兄ハーデースの奥さんペルセポネーをすすめたとは、ちょっと疑問ですが。

冥界に行って戻ってきたのは、ヘラクレス、オルフェウス、オデュッセウス、シーシュポスのみ。なにしろ、忘却の河ステュクスを渡れても、番犬ケルベロスが門を守っています。ハーデースが許していなければ、無理でしょう。

だが、テーセウスとペイリトオスにとっては何事もなかったようで、詳しい言い伝えはありません。とまれ、2人は冥界の宮殿に、ハーデースの前にもうでました。

ペイリトオス
「あの〜、王様の奥さんペルセポネー様をわたしの妻にください」
テーセウス
「こいつはいい奴なんで、なんとか望みをかなえてやりたいんです」
ハーデース
「まぁ、まぁ、せっかく冥界まで来たのだから、ゆっくりしてくれ。ごちそうするから、そこの椅子に座ってくれ」

忘却の椅子

冥界の王ハーデースが進めたのが、なんと「忘却の椅子」でした。
ゼウスの兄である冥界の王ですから、抜かりがありません。

テーセウスとペイリトオス
「なんか、ぼ〜っとしてきたな〜......」
そのまま2人は記憶をなくし、椅子に座ったまま動けなくなってしまいました。

4年後、ヘラクレスの難業12のケルベロスを地上に連れてくる時に、ヘラクレスがテーセウスだけは助けだしました。

なぜか、ペイリトオスはそのまま残されました。助けられたテーセウスもアテナイに帰ってみれば、ヘレネーはすでに彼女の兄弟に連れ戻されていて、アテナイの王座も奪われていました。

テーセウス[1]迷宮のミノタウロス

インモータルズ - 神々の戦い

英雄テーセウス、映画『インモータルズ - 神々の戦い』では大活躍でした。
テーセウスを演じたのは、『マン・オブ・スティール』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のスーパーマン役、ヘンリー・カヴィルでした。
あの『300』のスタッフが作り上げた、ストップ・モーション的動きが、ダイナミックさを出していました。