〈アンドロメダを救うペルセウス〉
ペルセウスがメデューサを打倒し、母の待つセリポス島へ飛ぶ途中、裸の美女アンドロメダが岩に縛られた姿を発見しました。
アンドロメダはエチオピアの王女で、その救出を決意したペルセウスによって物語は展開します。
目次
ペルセウスと岩に繋がれたアンドロメダ
メデューサを倒したペルセウスは、母が待つセリポス島へ飛んで帰る途中でした。
その時、裸の美女が鎖で岩場に縛られているのを見つけました。さらに、その岩場から少し離れた海域では、海獣が美女に向かって泳いでいるのが見えました。
美女はエチオピアの王女アンドロメダで、ケフェウス王とカシオペア王妃の娘です。両親も現場におり、ただうろたえているばかりでした。
アンドロメダの婚約者である王の弟フィネウスもいますが、彼は臆病者で岩場の陰に隠れています。
ペルセウスはアンドロメダの両親に、「娘を救ったら妻に迎える」と申し出、二人の了承を得ました。フィネウスは不満そうでしたが、彼には何もできませんでした。
しかし、なぜアンドロメダが生け贄にされたのでしょうか?
アンドロメダの母カシオペアの失言とポセイドンの怒り
かつて、王妃カシオペアが口を滑らせて言いました。「私やアンドロメダの美しさには、海のニンフですらかなわないでしょう!」
この海のニンフは海神ポセイドンの50人の孫娘で、ネレイデスと呼ばれます。この言葉を聞いた彼女らは腹を立て、ポセイドンに苦情を述べ、カシオペアに罰を与えることを要求しました。
ポセイドンは海獣ティアマトを送りました。このティアマトは星座の鯨座に相当しますが、鋭い牙を持った海獣でした。
ペルセウスは飛び立ち、海獣ティアマトに向かって進みます。そして、その固い鱗の間から女神アテナから借りた剣で急所を刺してしまいました。
一説によれば、ペルセウスはメデューサの首を掲げて、海獣ティアマトを石に変えたとも言われています。
ペルセウスとアンドロメダの結婚式の混乱
ペルセウスとアンドロメダの結婚式の際、元婚約者のフィネウスが手下とともにアンドロメダを奪おうと宴に乗り込みました。
しかし、ペルセウスはメデューサの首で彼らをみな石に変えました。
ペルセウスとアンドロメダはセリポス島に戻り、母ダナエを得ようとしたポリュデクテスにメデューサの首を見せて石にしました。そして、恩義あるディクテュスを新たな王に任命しました。
〈ペルセウス、フィネウスとその手下と戦う〉
アルゴス王アクリシオスの死
ペルセウスはアンドロメダと母ダナエと共にアルゴスに帰国しました。神託を恐れたアルゴス王アクリシオスは逃亡し、ペルセウスがアルゴスの王となりました。
その後、ペルセウスはラリッサの競技会に参加し、円盤を投げたところ、老人に命中しました。なんと、その老人こそがアクリシオス王であり、こうして神託が実現したのです。
まとめ
ペルセウスはアンドロメダを救い、セリポス島での結婚式では元婚約者フィネウスの介入にも立ち向かいました。
その後、アルゴスに帰国し、神託を避け逃亡していたアクリシオス王の死によって、ペルセウスはアルゴスの新たな王となりました。これにより、彼の冒険譚は神話の中で結実しました。
モロー『ペルセウスとアンドロメダ』
ところで、ギュスターブ・モローが描いた絵画『ペルセウスとアンドロメダ』は、あまりに有名です。何点か掲載します。