1話5分で読めるギリシャ神話

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アフロディーテ(ビーナス)の誕生

ヴィーナスの誕生
サンドロ・ボッティチェッリ〈ヴィーナスの誕生〉ウフィッツィ美術館

ゼウスの父クロノスが、その父ウラノスの男根をアダマスという金属の鎌で刈り取り、大海原に投げ入れました。落ちたところから白い泡がわき立ち、その中から女神アフロディーテ(ヴィーナス)が誕生しました。

女神は西風ゼフィロスに運ばれ、やがてキュプロス島に漂着。それで、この島は女神の聖地となったのです。アフロディーテは季節の三女神に美しい衣を着せられると、オリンポスの神々の宮殿に連れられてゆきました。全ての男神はその美しさに心を奪われ、女神を妻にと望みました。

ゼウスは自分の息子ヘーパイストスを夫に選びました。自分のために、息子が一生懸命雷霆(らいてい)の矢を鍛えあげたからです。女神の中でも一番美しいアフロディーテが、男神の中でもひときわ醜いヘーパイストスと結ばれたのです。

そのことが原因かどうかは分かりませんが、女神には戦いの神アレース(マルス)をはじめ多くの愛人がいました。

軍装を解かれる軍神マルス
ジャック=ルイ・ダヴィッド〈軍装を解かれる軍神マルスとビーナス〉

アフロディーテは〈ケストス〉と呼ばれる美しい刺繍の帯を持っていました。その帯は相手に愛情をおこさせる力を持っていました。かつて、トロイア戦争の際、ゼウスの妻ヘーラーがこの帯をかりて、浮気性のゼウスの心を引き止めようとしたこともありました。ポセイドーンや他の神がアカイア(ギリシャ勢)に加担するのを、ゼウスの目から隠すためです。

また、女神の愛した鳥は〈白鳥と鳩〉で、女神が乗る二輪車は白鳥が引きます。また、彼女に捧げられた花は〈バラとギンバイカ〉です。

ゼウスとヘーラー
アンニーバレ・カラッチ〈ケストスを身につけたヘーラーとゼウス〉

ギンバイカ(銀梅花)

〈ヴィーナスの誕生〉
モデルは、シモネッタ・カッタネオ・ヴェスプッチ(享年23才)。 パッツィ家の陰謀で殺されたロレンツォ・イル・マニフィコの弟ジュリアーノ・ディ・メディチ(享年25才)の愛人。