1話5分で読めるギリシャ神話

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ローマ建国の祖アイネイアース2

ハルピュイアと戦うアイネイアースたち
フランソワ・ペリエ〈ハルピュイアと戦うアイネイアースたち〉ルーブル美術館

アニオス王の贈り物
出発に当たり、アニオス王は、アンキセスには王笏、アスカニオスには外套と矢筒、アイネイアースにはブドウ酒を混ぜるための甕(かめ)を送った。この由緒ある甕(かめ)には、絵物語が浮き彫りされていた。七つの市門があるテーバイの物語であった。アンキセスからはアニオス王に、香箱、お神酒皿、金と宝石とでまばゆい冠が贈られた。

アイネイアースたちは、アポローンのお告げにより、トロイア人がクレータ島出身のテウクロスの血を引いていたことが分かり、祖先の地クレータ島へむかった。

テウクロスは、トロイア最初の王であった。またトロイアのイーデー山の名はクレータ島のイーデー山に由来するという。のちに、このイーデー山にあのトロイア戦争の原因パリスが追放されることになる。

そんな由緒あるクレータ島ではあったが、ここの気候はひどく、長く住むには適さなかった。アイネイアースたちは、イタリアに進路をむけた。

アイネイアース、シケリア(シチリア)島へ
嵐のため、船隊はストロパデスの双子島に逃げこんだが、怪鳥ハルピュイアにおびやかされた。その後、オデュッセウスの地イタケ、賢者クラガレウスが変身した岩がある、アポローンの神殿が名高いアムブラキアの町、ドドナの聖地、カオニアの入江をすぎ、コルキュアの島トロイアの予言者ヘレノスが支配するプトロトスに着く。ヘレノスから将来の予言をきき、それからシケリア島についた。

このシケリア島には、南に向けてパキュノス、西に向けてリリュバイオン、北に向けたペロロスの三つの岬がある。夜になる頃、ザンクレの浜に一行は到着した。近くには、右手に岩に変わったスキュラ、左手にカリュプディスが幅を利かしている。このシケリア島への航海の途中で、父アンキセスは病死した。

スキュラとカリュブディス〉参照

アイネイアース、アフリカへ。そして再びシケリア島へ
アイネイアースたちはイタリアの岸に近づいていたが、嵐のためにアフリカ、リュビアの海岸まで押し流されてしまった。この地の女王ディドは、アイネイアースたちを喜んで館に向かえた。また、女王はアイネイアースを愛し、契りを結んだ。

これを見たゼウスがヘルメースを使わして、トロイアの再興のためにイタリアへ渡るよう警告させた。こうして、アイネイアースたちはリュビアの新しい町カルタゴを離れ、ふたたびシケリア島にむかった。女王ディドは彼との別離にたえられず、供犠の薪(まき)の上で自ら剣のうえに身を投げた。

アイネイアースたちは再びシケリア島に到着すると、亡き父アンキセスを墓にとむらった。

アイネイアース、カルタゴの港からの出発
ベニート・マヌエル・アグエロ〈アイネイアース、カルタゴからの出発〉プラド美術館