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ハルピュイアと戦うアイネイアスたちペリエ〈ハルピュイアと戦うアイネイアスたち〉

アニオス王の贈り物

クレタ島への出発に当たり、アニオス王はアンキセスには王笏、アスカニオスには外套と矢筒、アイネイアスにはブドウ酒を混ぜるための甕(かめ)を贈りました。この由緒ある甕(かめ)には、浮き彫りの絵物語が描かれています。七つの門があるテーバイ市の物語です。

一方、アンキセスはアニオス王に、香箱、お神酒皿、金と宝石とでまばゆい冠を贈りました。

アイネイアスたちは、アポロンのお告げにより、トロイア人がクレタ島出身のテウクロスの血を引いていたことも分かり、祖先の地クレタ島へ向かいます。

テウクロスは、トロイア最初の王です。またトロイアのイーデー山の名はクレタ島のイーデー山に由来するともいわれています。のちに、トロイアのイーデー山にあのトロイア戦争の原因パリス王子が追放されることになります。

そんな由緒あるクレタ島ですが、ここの気候はひどく、長く住むには適しません。早々に次に向かったのが、シケリア(シチリア)島でした。

アイネイアス、シケリア(シチリア)島へ

嵐のため、船隊はストロパデスの双子の島に逃げましたが、怪鳥ハルピュイアにおびやかされます。

その後、オデュッセウスの地イタケ、賢者クラガレウスが変身した岩がある、アポロンの神殿が名高いアムブラキアの町、ドドナの聖地、カオニアの入江をすぎ、コルキュアの島トロイアの予言者ヘレノスが支配するプトロトスに到着。ヘレノスから将来の予言をきき、夜になる頃、ザンクレの浜に一行は到着しました。

このシケリア島には、南に向けてパキュノス、西に向けてリリュバイオン、北に向けたペロロスの三つの岬があります。近くには、右手に岩に変わったスキュラ、左手になんでも飲み込んでしまうカリュプディスの難所。このシケリア島への航海の途中で、父アンキセスは病死します。

アイネイアス、アフリカへ。そして再びシケリア島へ

アイネイアスたちはイタリアの岸に近づいていましたが、嵐のためにアフリカ、リュビアの海岸まで押し流されてしまいます。この地の女王ディドは、アイネイアスたちを喜んで館に向かえました。

また、女王はアイネイアスを愛し、契りを結びます。これを見たゼウスがヘルメスを遣わして、トロイアの再興のためにイタリアへ渡るよう警告させます。

こうして、アイネイアスたちはリュビアの新しい町カルタゴを離れ、ふたたびシケリア島にむかいます。女王ディドは彼との別離にたえられず、供犠の薪(まき)の上で自ら剣のうえに身を投げたといいます。

アイネイアスたちは再びシケリア島に到着すると、亡き父アンキセスを墓に葬いました。

ローマ建国の祖アイネイアス[3]クマエの巫女シビュラと冥界へ

Aeneas-Cartago.jpgアグエロ〈アイネイアス、カルタゴからの出発〉