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なぜ、美しい女性が自らの体を売るのか?

女神アフロディテの島であるキュプロス島の町アマトゥスのできごとです。

プロポイトスの娘たちは、女神アフロディテを祀りません。女神は怒り、娘たちに情欲をうえつけました。娘たちはもはや情欲にうち勝つことができず、男を求めてしまいます。

その結果、プロポイトスの娘たちは、「世界で初めての娼婦」という不名誉なレッテルを貼られてしまいます。

ピュグマリオン、プロポイトスの娘たちを蔑視

ピュグマリオンは、ふしだらな娼婦プロポイトスの娘たちを蔑視しました。妻をめとることもせず、また恋をすることもなく、彼は独身生活をつらぬいていました。

ピュグマリオンは毎日悩みながらも、彼の彫刻の才能は、いつしか真っ白な大理石を刻み始めていました、そして、まるで生きているかのような乙女を彫りあげたのです。

すると、ピュグマリオンには予期していなかったことが起こったのです。

彼は、自分で彫り上げた乙女の像に恋をしてしまったのです。恋するその苦しみから、アフロディテに祈りました。すると、大理石の彫刻には、温かい血が流れはじめ、人間の乙女ガラテアになったのです。ピュグマリオンは彼女と結ばれます。

ピュグマリオン、大理石像に恋した男

古代ギリシャの娼婦の定義

ここに「アレオパゴス会議のフリュネという一枚の絵があります。古代ギリシアで有名な娼婦(ヘタイラ)のフリュネを描いたものです。

伝説によれば、不敬虔を理由に裁判にかけられたフリュネ。弁護人であるヒュペレイデスが陪審員の前でフリュネの衣服を剥ぎ取り、彼女を裸にすると、フリュネは無罪になっということです。無罪の理由は伝えれれてなく、よくわかりません。

アレオパゴス会議のフリュネジェローム〈アレオパゴス会議のフリュネ〉

アレオパゴス会議
古代アテナイの政治機構。アテナイ政治における貴族勢力の牙城であり、古代ローマにおける元老院のような役割を果たした。

高級娼婦ヘタイラと下級娼婦ポルナイ
ヘタイラは、性的サービスに加え、教養や社交性があり、お世辞、話術、機知や洗練性を身につけ、古典文学の教養もあります。ただの娼婦ポルナイとはちがい、教養を身につけていたのです。

自由なヘタイラたちは多くの富をえ、また男たちを意のままにもしました。中にはペリクレスの愛妾アスパシアのように、政治に大きな影響力を持った女性もいました。

古代ギリシアにおいて、女性の裸は神聖なものとされていました。ヘタイラは芸術方面に広く題材としてあつかわれ、またルネサンス以降、近代の新古典主義やロマン主義の画家や文学者たちにも広く影響を与えました。

ポルナイが売春宿や街路で広く客を相手にしたことと比べ、ヘタイラは常に限られた相手と交際していました。

酒合戦に興じるヘタイラを描いたキュリクス〈饗宴の席で酒合戦に興じるヘタイラ〉

女子三分割制という女性の分け方

ヘタイラとポルナイ両者の境界線に疑問もあります。たとえば、オックスフォード古典辞典第二版では、 『ヘタイラ』 は売春婦の婉曲表現であったと記述されています。

こうした学説は、フロリダ大学教授コンスタンティノス・カッパリスによって支持されています。

アハルナエのアポロドーロスが元ヘタイラのネアイラを起訴した際に「我らは高級娼婦を快楽の、内妻を日々の肉体への貢献の、そして正妻を正当なる後継ぎのために持ち、信頼できる護衛を以て家を守らしめる」と、演説しました。

教授はアポロドーロスの演説から、著名な女子三分割制が、身分を問わずすべての娼婦を『ヘタイラ』の単語に集約しているものと考えました。