1話5分で読めるギリシャ神話

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ピュグマリオンも蔑視、世界最初の娼婦プロポイトスの娘たち

娼婦プロポイトスの娘たちについては、詳しい文献が見つかりません。『プロポイトス』の素性もわかりません。 オウィディウス『転身物語』にも、たったの2行しか書いてありません。
しかし、「世界最初の娼婦」って興味がわきます。結果「アレオパゴス会議のフリュネ」という絵画も見つかり、高級娼婦ヘタイラと下級娼婦ポルナイも知ることができました。

アレオパゴス会議のフリュネ
ジャン・ジェローム〈アレオパゴス会議のフリュネ〉

なぜ、美しい女性が自らの体を売うるのか?

女神アフロディーテの島であるキュプロス島の町アマトゥスの出来事です。
女神アフロディーテに祈ることをしません。
女神の怒りは、娘たちに情欲をうえつけました。娘たちはもはや情欲にうち勝つことができず、男を求めてしまいます。
その結果、プロポイトスの娘たちは、「世界で初めての娼婦」という不名誉なレッテルを貼られてしまいました。

そんなプロポイトスの娘たちを見ていたのがピュグマリオン。

ピュグマリオンは、ふしだらな娼婦プロポイトスの娘たちを蔑視しました。妻をめとることもせず、また恋することもなく、彼は独身生活をつらぬいていました。
しかし、いかに彼が女性を嫌悪しても、心の奥底では男の部分が女を求めてしまうのです。

ピュグマリオンは毎日悩みながらも、彼の彫刻の才能は、いつしか真っ白な大理石を刻み始めました、そして、まるで生きているかのような乙女を彫り上げたのです。

すると、ピュグマリオンには予期していなかったことがおこったのです。彼は、自分で彫り上げた乙女の像に恋をしてしまったのです。恋するその苦しみから、アフロディーテに祈りました。すると、大理石の彫刻には、温かい血が通い、人間の乙女ガラテアになったのです。ピュグマリオンは彼女と結ばれました。

ピグマリオン、自分の彫った乙女の像に恋した男

<h2>古代ギリシャの娼婦の定義

ここに「アレオパゴス会議のフリュネ」という1枚の絵があります。
古代ギリシアで有名な娼婦(ヘタイラ)のフリュネを描いたものです。伝説によれば、不敬虔を理由に裁判にかけられたフリュネ。弁護人であるヒュペレイデスが陪審員の前でフリュネの衣服を剥ぎ取り、彼女を裸にすると、フリュネは無罪になっということです。無罪の理由は伝えれれてなく、わかりません。

【アレオパゴス会議】
古代アテナイの政治機構。アテナイ政治における貴族勢力の牙城であり、古代ローマにおける元老院のような役割を果たした。

高級娼婦ヘタイラと下級娼婦ポルナイ

ヘタイラは、性的サービスに加え、教養や社交性があり、お世辞、話術、機知や洗練性を身につけ、古典文学の教養もあります。ただの娼婦ポルナイとはちがい、教養を身につけていたのです。

自由なヘタイラたちは多くの富を得、また男たちを意のままにする事ができました。中にはペリクレスの愛妾アスパシアのように、政治に大きな影響力を持った女性もいました。
古代ギリシアにおいて、女性の裸は神聖なものととらえていました。ヘタイラは芸術方面に広く題材としてあつかわれ、またルネサンス以降、近代の新古典主義やロマン主義の画家や文学者たちにも広く影響を与えました。

ポルナイが売春宿や街路で広く客を相手にしたことと比べ、ヘタイラは常に限られた相手と交際していました。

女子三分割制という女性の分け方

ヘタイラとポルナイ両者の境界線に疑問もあります。例えば、オックスフォード古典辞典第二版では、 『ヘタイラ』 は売春婦の婉曲表現であったと記述されています。こうした学説はフロリダ大学教授コンスタンティノス・カッパリスによって支持されています。

彼は、アハルナエのアポロドーロスが元ヘタイラのネアイラを起訴した際に演説した、「我らは高級娼婦を快楽の、内妻を日々の肉体への貢献の、そして正妻を正当なる後継ぎのために持ち、信頼できる護衛を以て家を守らしめる」ものであるとした著名な女子三分割制が、身分を問わずすべての娼婦を『ヘタイラ』の単語に集約しているものと考えました。

酒合戦に興じるヘタイラを描いたキュリクス
〈饗宴の席で酒合戦に興じるヘタイラを描いたキュリクス〉
キュリクス=両サイドに取手があるワイン用酒杯

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