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マルシュアスの皮を剥ぐアポロンアポロンの顔を見よ!
〈マルシュアスの皮を剥ぐアポロン〉

アテナが作った笛

サチュロスのマルシュアスは山野を散策中、アテナが作ったアウロスというダブルリード(二本管の木管楽器)を見つけました。女神は笛をふく時、ほほが膨らみ変顔になるので捨てたのです。

いつしか、マルシュアスは持ち前の器用さから、この笛の名手と言われるようになっていました。仲間のサチュロスやニンフにも喝采をあびていたのです。

マルシュアス自身も「自分は世界一の音楽家で、アポロンの竪琴より素晴らしい!」と、言うように有頂天になっていたのです。

アポロン神とマルシュアスの音楽勝負

マルシュアスの自慢を聞いたアポロンは激怒し、彼と音楽勝負をすることになりました。
ルールは、「勝者は敗者に何をしても構わない

「なにをしても構わない」というのは、情欲の強いサチュロスのマルシュアスとしては、性的な意味にとりました。このことが、マルシュアスを悲劇的な結果に向かわせたのです。

パルナッソス山にあるアポロンとムーサたち〈パルナッソス山にあるアポロンとムーサたち〉

審判はアポロンの従者のムーサたち。これでは、マルシュアスには不利な勝負です。なぜなら、ムーサたちは、アポロンの従者といってもいいからです。結果は、アポロンの圧倒的な勝利でした。

アポロンの残虐

「何をしても構わない」アポロンは、このルールから残酷な罰をマルシュアスに与えました。

マルシュアスを松の木に逆さに吊るすと、生きたまま皮を剥いたのです。彼は号泣し許しを乞いましたが、アポロンは無表情のまま皮を剥いでいき、全部剥ぐと吊るしたまま放置しました。

マルシュアスは、そのまま絶命......

まわりで見ていたサチュロスの仲間やニンフは、マルシュアスの苦しみを思い、涙を流しました。大地はその涙でぬれ、泉となり、川となりました。

これがフリュギアの地(トルコ中西部)で、もっとも水が澄んだマルシュアス川のできたいわれです。

アポロンと妹アルテミスの残虐行為は、こちらも参照してください。

アポロンの残虐性再び! レトの怒りとニオベの悲哀

ダヴィッド 作「ニオべ」ダヴィッド〈ニオべ〉アルテミスの顔を見よ!