1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードが、絵画で分かりやすい。また、ギリシャ神話はあなたの美術鑑賞に役立ちます。〈1話5分で読める聖書-アートバイブル

【純愛と試練】ヘーローとレアンドロス

(更新日:2021.02.18)

ヘレスポントス海峡を挟んだヘーローとレアンドロスの恋。
「レアンドロスがヘレスポントス海峡を泳いで渡れるはずがない」
という人々に対して、詩人バイロンは片足が悪いにかかわらず、約1時間10分で海峡を泳ぎ渡ったということです。
さすが、詩人バイロン! ロマンを持っています。

ヘーローとレアンドロス
フェルディナント・ケラー〈ヘーローとレアンドロス〉

風もおさまった次の日の朝
海辺で街の人々がざわめいていました。塔の上から見ていたヘーローは、胸騒ぎがして走り出しました。そして、人々をかき分けて中に入っていくと、大きな叫び声をあげました。
あぁ、レアンドロス様〜

海峡を挟んだ恋

ヨーロッパとアジアを隔てているヘレスポントス海峡(現ダーダネルス海峡)。
ヨーロッパ側のセストスという街にはアフロディーテの女神官ヘーローが住んでいました。
一方、アジア側の街アビュードスには、レアンドロスという若者が住んでいました。
こんな二人が恋に落ちました。

私は神官ですので、恋は禁じられています
と、ヘーロー。
二人が結ばれることを、アフロディーテ様は許してくださる。
なんといったって愛の女神様なんだから

と、レアンドロスは何度も説得しました。

最初は拒んでいたヘーローも、この言葉に愛を受け入れることにしました。

ヘーロ−の最後の眺め
フレデリック・レイトン〈ヘーロ−の最後の眺め〉

ある冬の嵐の夜

こんな夜には会わなければ良いと思うのは大人の考えですが、若い二人には通用しません。レアンドロスは今夜も海峡に飛び込んだのです。

まぁ、どうしましょう!
ヘーローが火を灯しても、すぐ強い風がその火を消えてしまいます。彼女はレアンドロスのことが心配で心配で、ただただ暗い海峡を見ているしかありません。

レアンドロスはいつも通り、まっしぐらに対岸の塔にむかって泳いでいました。が、荒れた暗い海の中、彼は高い波の上に持ち上げられたかと思うと、真っ逆さまに落とされます。何度もなんども荒波にもてあそばれ、方向も見失い、とうとう力尽きてしまったのです。

いくら待っても、現れないレアンドロス。
今夜はこの嵐ではこれないのね。きっと引き返したのだわ
ヘーローは、休むことにしました。

風もおさまった次の日の朝

海辺で街の人々がざわめいていました。塔の上から見ていたヘーローは、胸騒ぎがして走り出しました。そして、人々をかき分けて中に入っていくと、大きな叫び声をあげました。

「あぁ、レアンドロス様〜」

ヘーローは泣き叫び、髪をかきむしり、彼に抱きつきました。
しばらくそうしていましたが、彼女はいきなり立ち上がると、塔の上に駆けのぼり、海に身を投げてしまったのです。

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