花の神話 ベスト3
(更新日:2021.10.22)
子供たちに話してあげたい、みんな美少年が花になったギリシャ神話
①アネモネの花になったアドニス。
②ヒアシンスの花になったヒュアキントス。
③スイセンの花になったナルキッソス。
アネモネの花になったアドニス
アネモネは、春先に花を咲かせます。花の色は赤、桃色、青など。その花は一重のものから八重咲きのものもあります。
美少年アドニスに夢中になってしまった美の女神アロディーテ(ビーナス)。
なんということでしょう、恋愛上手の女神が乙女になってしまうなんて!
女神は自分の神殿に行くことも忘れ、オリュンポスの神々の会議に出ることもありません。ただただ少年アドニスと一緒に森の中を駆け回っています。
その姿は、まるで狩りの女神アルテミスのよう。いつも女の魅力に力を入れているのに、今はすっかりお化粧を忘れています。
恋は、百戦錬磨の女神さえ、乙女にしてしまう。
また、母性本能にも火がついてしまった女神。「愛しいアドニス、森の野獣には気を付けなさい。けっして、自分が強いと思って戦っちゃダメよ。わかった?」と、しつこいぐらい言い聞かせます。
しかし、若者はいずれ親離れをし、姉さん女房の言いつけを聞くわけがありません。
そんなアドニスは無謀にも、大イノシシに向かって行きましたが......
【アドニス - アネモネの花】を読む
ヒアシンスの花になったヒュアキントス
アポローンが愛した美少年ヒュアキントス。
神はまるで親であり、兄であるかのようにヒュアキントスに尽くします。漁に行くときは網を持ってやり、狩りに行くときは犬をひいてやり、山に行くときも運動をするときもいつも一緒です。
そのため、アポローンはデルポイの神殿に行くこともなく神託を出すこともお休み。しばらくは、竪琴も弓矢も持つことはなかったほどです。
そんな二人に嫉妬する西風ゼフィロス
ある日、アポローンとヒュアキントスが円盤投げをしていました。ヒュアキントスを愛していたゼフィロスには悪意はなかったのですが、ちょっかいを出します。アポローンが投げた円盤をヒュアキントスが取ろうとした時、強い風を円盤に吹きつけたのです。
円盤はヒュアキントスの額に直撃。彼は瀕死の状態になってしまいました。まさか、ゼフィロスには思ってもみなかったことが起こってしまったのです。
はたして、ヒュアキントスは、どうなってしまうでしょうか?
【ヒュアキントス - ヒアシンスの花】を読む
スイセンの花になったナルキッソス
狩の女神アルテミスの美しいニンフのひとりエコー。けっして自分から姿を現すこともなく、呼びかけたりもしません。声だけの、それも答えるだけの存在なのです。どうして、エコーはそうなってしまったのでしょうか?
エコーが声だけの存在になってしまったのには、2つ理由がありました。
その1つの理由が、ゼウスの妃ヘーラーの怒りを買ってしまったこと。ヘーラーが浮気をしているゼウスの居場所をニンフ達に尋ねた時、エコーがおしゃべりをして女神の機嫌を損ねてしまったのです。
「おしゃべりな舌はもう使えなくしてやる。もはや、おまえから最初に口をきくことはかなわぬ。が、応えることだけはは許してやろう」。この時にはまだエコーの体だけはあったのです。
そんなエコーが恋したのが、ナルキッソス
それが、もう1つの理由です。彼の言葉をそのまま返すことしかできない、エコーのもどかしさ。しかも、ナルキッソスは彼女に全く興味を示しません。彼は、もともと女には興味がないのです。今までだってずっと、彼は女には冷たかったのです。
かつてナルキッソスから冷たい仕打ちを受けた一人の乙女は、神に祈りを捧げました。「ナルキッソスにも、身を焦がすかなわぬ恋をさせてください」。復讐の女神ネメシスが、その祈りを聞き入れました。
ナルキッソスは、水に映った自分を見て......
【ナルキッソスとエコー、水仙のお話】を読む