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陽を目指し走るオリオン〈陽を目指し走るオリオン〉

オリオンは、海神ポセイドーンの息子

オリオンは、美しい顔立ちの巨人で腕の立つ狩人です。彼は諸国を放浪してキオス島にやってきた時、島の王オイノピオーンの娘メロペーに一目惚れしました。結婚の承諾をえるため、得意の狩りでたくさんの野獣をしとめ王に献上しました。

しかし、王とメロペーはオリオンを好まず、結婚を承諾しません。彼は島の野獣がいなくなるほど貢ぎ物をしましたが、どうしても良い返事をもらえません。

とうとう、オリオンは力ずくでメロペーを手に入れようとしました。激怒した王は、父である酒の神ディオニュソスに頼んでオリオンを泥酔させ、その両眼をくりぬいて、海辺に捨てました。

盲目になったオリオン、太陽の館へ

盲目のオリオンは鍛冶の槌(つち)の音をたよりに、レムノス島のヘーパイストスの鍛冶場にやってきました。哀れに思ったヘーパイストスは、職工のケーダリオーンを呼ぶと、オリオンを太陽の館へ案内するよう命じました。

オリオンはケーダリオーンを肩に乗せると、太陽の館を目指しました。やがて館に着くと、哀れに思ったアポローンは太陽の光で彼の目を癒しました。

死せるオーリーオーンとアルテミスダニエル・サイター〈死せるオリオンとアルテミス〉

オリオンとアルテミスの恋

オリオンは狩りに専念しようと、アポローンの妹で狩猟の女神アルテミスと一緒に狩りをするようになりました。いつしか女神は彼に惹かれ、女神に従うニンフたちも二人の関係を噂しはじめました。

それを聞いたアルテミスの兄アポローンは、「オリオンは、お前の恋人にはふさわしくない」と、妹にやめるよう言いましたが、女神は従おうとはしません。

アポローンの企み

ある日、オリオンが頭だけ出して海を渡っている時のことです。『あれはオリオンに違いない!』と気付いたアポローンは、妹アルテミスに言いました。

遠くに見えるあの小さな島に、矢を命中させることはできるかな!
簡単なことです、兄上

女神は弓矢を取り出すと、運命の矢を放ちました。

矢は、みごとに島に命中。島は一瞬揺れると、海面から没しました。すると、水面がみるみる赤く染まり、死んだオリオンが横になってぽっかりと浮かび上がってきたのです。

アルテミスは兄の企みに気付き、また絶望感から叫びました。「だましたのね!兄さん!

嘆き悲しんだ女神は、オリオンを天にあげ星座にしました。巨大なオリオンの星座は、獅子の毛皮をまとい、こん棒を振り上げた勇ましい姿。その後ろには猟犬セイリオスが従っています。

また、アルテミスはこの悲しみから、二度と恋をすることはなかったといいます。ギリシャ神話で処女神といえば、このアルテミス、アテーナ、ヘスティアーの3女神だけです。

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