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ペンテシレイア〈トロイア城に到着するペンテシレイア〉[出典

トロイア王プリアモスとペンテシレイア

アキレウスに倒されたヘクトールの遺骸を譲り受けた父プリアモス。ヘクトールの葬送をしている日に、アマゾン軍を率いた女王ペンテシレイアが来援に駆けつけました。

一説には、テーセウスがパイドラーと結婚した時に、ヒッポリュトスの母であるアマゾンの女王ヒッポリュテーがアマゾン軍とともに攻めてきたのです。その戦闘の最中に、ペンテシレイアは誤ってヒッポリュテーを殺してしまいました。その罪をプリアモス王に潔められたためであるといわれています。

アキレウスに殺されるペンテシレイア

そんなアマゾンの女王ペンテシレイア。アスクレピオスの子マカオンを倒しましたが、アキレウスにかなうはずはありません。アキレウスに右乳を刺されて、最後を遂げます。

その刹那、アキレウスは彼女の勇ましき健気さに気づき、その美しさに打たれました。アキレウスは後悔の念に囚われ、ただただ呆然と立ちすくむのみでした。

アキレウスがしたことは、ヘクトールにした戦車で遺体を引きずることではありませんでした。ペンテシレイアの遺体を潔めると、トロイア軍に返し、ねんごろに葬らせることでした。

アキレウスに殺されるペンテシレイア〈アキレウスに殺されるペンテシレイア〉

アキレウスをあざ笑うテルシーテース

そんなアキレウスを見たテルシーテース。彼はいつも大将の陰口を言い、不平に扇動するばかりのひずみ頭をしています。

アキレウスを冷笑して、敵軍の女に心を奪われていると嘲ったのです。怒りに駆られたアキレウス。ついにテルシーテースを突き殺してしまいました。

テルシーテースは、トロイア戦争の偉大な大将ディオメーデースの従兄です。アキレウスとディオメーデースの間に諍いが起こったとも言います。

しかし、2人はギリシャ軍の偉大な勇者です。ディオメーデース自身も従兄のテルシーテースには呆れていたと思いますので、アキレウスとの争いはなかったと思います。

戯曲『ペンテジレーア』

ギリシア軍のトロヤ城攻撃のエピソードから取材した作品。女人国アマゾネス族の女王ペンテジレーアと英雄アヒレスとの恋愛の葛藤を主題として、愛と憎、憧憬と絶望との交錯を描いた悲劇。

作者の特異な個性と深刻な体験とを芸術的に具現してあますところなく、もっともクライスト的な戯曲と称せられています。

(あらすじ)
アマゾネスの女王タナイスと軍神アレースの娘ペンテジレーア。トロイア戦争のさなか英雄アヒレス(アキレウス)に恋し、彼に勝負を挑むが敗れて捕虜になってしまいました。ペンテジレーアの名誉のため逆にアヒレスは自分が倒されたという嘘をつきます。

それを信じたペンテジレーアはアヒレスを母国に連れ帰ろうとします。そこでアヒレスは真実(つまり勝利したのはアヒレスであること)を告げ、自分の妃としてギリシアに連れ帰ろうとします。

その後、部下に救出されアマゾネスの陣に戻ったペンテジレーア。彼女を諦められないアヒレス。もう一度戦いを挑み、あえて彼女に打ち負かされ、捕虜となってアマゾネスの国に連れて行かれることを決意します。

アマゾネスの陣で失意のペンテジレーアに、アヒレスからの決闘の申込みが伝えられます。

しかし、ペンテジレーアはアヒレスに対する復讐の念にかられていました。ペンテジレーアは決闘の場にほとんど丸腰であらわれたアヒレスを殺し、彼を食べてしまったのです。その後、彼女は後悔の念にかられ死んでしまいます。

ハインリヒ・フォン・クライスト(1777〜1811)作

ペンテシレイア〈ペンテシレイア〉