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アテナの手に乗るニケ〈勝利の女神ニケは女神アテナの手に乗る〉

ニケは、ギリシャ神話の中で勝利の女神として知られる神々の世界における重要な存在です。彼女はアテナの手に乗り、戦いの勝利や栄光を象徴しています。

ニケの起源や彼女が神話の中で果たした役割を探求することで、彼女の重要性と影響を理解することができます。

ニケは、勝利の女神

勝利の女神にニケは、タイタン神族のパラスとステュクスの娘と言われます。

オケアノス(大洋)の娘ステュクスは、パラースに抱かれて、ゼーロース(妬み心)、ニケ(勝利)、クラトス(権力)とビアー(暴力)を生みました。

ゼウス率いるオリュンポスの神々とクロノス率いるタイタン神族との戦い(ティタノマキア)の時、ゼウスが全ての神々を呼び集めて、こう言いました。

「我らに味方してクロノスとタイタン神族と戦う神からは、決して特権を奪わぬし、かつて神々の間で得ていた名誉を、そのまま保持するであろう。クロノスのために名誉と特権を奪われた者には、当然のことながら、もとの名誉と特権に復帰させよう」

この時、真っ先にオリュンポスに駆けつけたのがニケの母ステュクス。父オケアノスの忠告に従い、子供ニケを連れてやってきたのです。

ニケはオリュンポスまでヘラクレスに同行し、勝利者たちの頭上には勝利の冠を掲げ、翼のある姿で描かれました。

勝利の女神ニケ

サモトラケ島のニケ

ティタノマキアの戦い後、ゼウスは、全ての者に約束どおりのことを果たしました。

勝利したゼウスはステュクスを敬い、過分の褒美を与えました。すなわち、彼女を神々の誓約の大いなる証人とし、そのニケはじめ子供には、いつまでも側近くに住むことを許したのです。

また、ギリシャ vs ペルシャの戦争の勝利は、勝利の女神ニケの人気を大きくしました。

ニケは、軍神と知神であるアテナとともに表現されます。アテナの手の上に乗っているのがニケです。翼を持った若い女神として表現され、ギリシャ各地に神殿をもっていました。

オリュムピア出土のパイオーニオス作およびサモトラケ島出土の有名な像(写真下)が残っています。このサモトラケ島のニケは、写真で見たこともある人は多いと思います。

ステュクスと渡し守カロン[冥界の河]

【ティタノマキア】オリュンポスの神々vsタイタン

サモトラケ島のニケ

勝利の女神ニケ、その名が[NIKE]に

ギリシャ神話の女神ニケの名にちなんで、アメリカのスポーツ用品メーカーであるナイキ(NIKE)の名前は付けられました。それは、ニケが持つ勝利や栄光の象徴としての意味に基づいています。

まとめ

ニケはタイタン神族のパラスとステュクスの娘とされ、ゼウス率いるオリュンポスの神々とのティタノマキアという壮大な戦いで重要な役割を果たしました。

彼女の母であるステュクスが神々の誓約の大いなる証人となり、ニケは勝利者たちの頭上に勝利の冠を掲げ、翼のある若い女神として表現されました。

さらに、ギリシャ対ペルシャの戦争においても、ニケは勝利の象徴として人気を博し、アテナと共に崇拝されました。

その存在は美術や彫刻にも多く表現され、サモトラケ島の有名な像はその最たる例です。ニケの神話は、戦争、競技、および人間の勝利における神秘的な力を称賛し、ギリシャ文化の一部として永遠に記憶されています。