アートバイブル
絵画でイメージしやすい! アートバイブル 聖書
はとバス・日帰りバスツアー 私の体験記
はとバス・日帰りバスツアー 私の体験記

1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードを絵画から分かりやすくまとめています。ギリシャ神話は美術を鑑賞する時、必ずあなたの役に立ち想像力を羽ばたかせてくれます。

ローマ建国の祖アイネイアース4

アイネイアース、トゥルヌスを倒す
〈アイネイアース、トゥルヌスを倒す〉

トロイア人 vs ルトゥリー人

ついに、アイネイアースはラティウム(イタリア)に上陸した。そこは、ティベリス河のほとりだ。彼は、牧神の息子ラティヌスの館を訪れて、その娘ラウィニアを妻とした。

ラウィニアはアルデアのルトゥリー人トゥルヌスの許嫁だったために、トロイア人対ルトゥリー人の戦いが続いた。この戦いには、まわりの国々も巻きこまれた。トゥルヌス側にはエトルリアから追放された僭主メーゼンティウスが加わった。

一方、アイネイアース側にはアルカディア人を率いるパッランテウムの王エウアンデルとその息子パッラスが加わった。また僭主であったメーゼンティウスを追放したエトルリアの諸都市もアイネイアースに加担した。両者の間で激しい戦いが行なわれ、パッラスやメーゼンティウスなど多くの武将が命を落とした。

トロイア船、ニンフに変身!

戦いには、こんなエピソードもあった。
トゥルヌスは松明を、松材でつくられたトロイア船に投げ込んだ。高いマストまで燃え、船はたちまち炎に包まれた。松材はイーダー山のものであったので、女神キュベレが言い放った。
「トゥルヌスよ、わたしの森で育った木々が、燃えさかる炎に焼かれることを、わたしはけっして許さないでしょう」
すると、風の兄弟たちが雷鳴をとどろかせ、雨とあられが降ってきた。船という船は、みな海中深く沈んだ。

なんということであろう!
船材は柔らかくなり、船という船はみなニンフに変わってしまった。これを見ても、トゥルヌスは戦いをやめなかった。トロイア勢もしかり。もはや、戦いの原因娘ラウィニアのことも忘れ、双方ともに勝利のみを望んでいたのだ。

アルデア(蒼鷺)の名の由来

最後はアイネイアースとトゥルヌスの一騎打ちとなり、アイネイアースが勝利した。トゥルヌスの国アルデアも廃墟と化し、その廃墟の灰の中からは、見知らぬ鳥が羽ばたいた。悲しい鳴き声、やせ細ったからだ、青白さ、滅んだ都にふさわしいすべてが、その鳥になった。アルデア、すなわち「蒼鷺(アオサギ)」の名として残ったのだ。

蒼鷺(アオサギ)
〈アオサギ〉

アイネイアースの神格化

アイネイアースはラウィーニアと結婚し、新たな都市ラウィニウムを築いた。
ここにいたり、彼の武勇は全ての神々をも賞賛させた。あのトロイアを敵視していた女神ヘーラーさえも怒りを静めていた。また、息子ユーノスも成長していた。

母アフロディーテは他の神々の根回しもすませ、大神ゼウスの首に手を回して嘆願した。
「息子アイネイアースのことですが、いくらかでも思し召しがあれば、あの子に神性を授けてやってください。あの冥府の河を渡るのは、一度だけで十分なはずです」

「あの男は、天界の神性にあたいする。お前の願いはかなえられたと知るがよい」
神々はうなずき、ヘーラーさえも微笑んでいた。

アフロディーテはハトに引かせた車でラウレントゥムの岸にやってくると、アイネイアースの中の死すべき部分を洗い流すように河神ヌミキウスに命じた。河神は女神の命令を実行した。

母神は浄められた息子のからだに香油を塗り、甘いネクタルをまぜたアンブロシアでその口をぬぐった。
こうして、アイネイアースは神となった。ローマの民は彼を「国つ神」と呼び、神殿と祭壇を建てて、彼をまつった。彼の息子ユーノス(アスカニウス)の子孫が、ロムレスとレムスである。
(オウィディウス『変身物語』より)

ラティヌスの宮廷のアイネイアース
〈ラティヌス宮廷のアイネイアース〉