1話5分で読めるギリシャ神話

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エウロペーの誘拐(ゼウスの浮気)

ゼウスの浮気で、最も有名なエウロペーの誘拐。多くの画家が、この題材を取り上げて傑作を描いています。
今回、ゴヤの絵を見つけました。ただこの絵では、黒い牡牛です。拐われていく可憐なエウロペーを際立たせ、乙女たちとの別れの瞬間が見事に表現されています。
それにしても、ゼウスの女好きはどんな手段でも考え出します。ドンファンよりはるか昔の元祖プレイボーイです。

エウロペーの誘拐
フランシスコ・デ・ゴヤ〈エウロペーの誘拐〉ビルバオ美術館

ひときわ美しい乙女エウロペー

ゼウスは、オリンポス山から下界を見下ろしていました。
そして、浜辺で遊ぶ女たちの中でもひときわ美しい乙女に、一目惚れしました。フェニキア王アゲノルの娘エウロペーです。

どう近づいたら良いか思案した後、伝令の神ヘルメースを呼びました。
「山の牛たちを、浜辺のあの女たちの近くに追いやってくれ」
ヘルメースはさっと飛んでいき、牛たちを追いはじめます。

ゼウスは、白い牡牛に変身して

一方、ゼウスはこっそりと白い牡牛に変身すると、ヘルメースにも分からないように牛たちに紛れ込みました。そして、女たちに近づきました。白い牡牛なので珍しく、女たちに気に入られました。また、ゼウスもおとなしく優しそうな牡牛の動きをしていました。

エウロペの誘拐
グイド・レーニ〈エウロペーの誘拐〉ダリッジ・ピクチャー・ギャラリー

「なんと優しそうな牡牛でしょう」

エウロペーもそばにより、頭や背中をさすってやりました。
「いい気持だ。早く、私がその手をさすりたいものだ」
ゼウスは早くも興奮してきましたが、身振りには出ないように気をつけました。

エウロペーは、すわっている温和な牡牛にすっかり安心してその背に乗りました。
その瞬間です!
牛は立ち上がり、海に入って猛然と泳ぎだしました。その速いこと!はや、岸からは遠く離れています。エウロペーは、その背から落ちないように、必死でツノをつかんでいました。岸では、乙女たちが大騒ぎしています。が、どんどん小さくなって見えなくなってしまいました。

エウロペーは、クレタ島の王家の母に

牡牛はエウロペーをクレタ島に連れて行きました。牡牛からゼウスに戻り正体と明かすと、エウロペーを抱きます。やがて、ミーノース、ラダマンテュス、サルペドンという息子たちが生まれました。ミーノースは、やがてクレタ島の偉大な王になり、ラダマンテュスは冥界の審判者に、サルペドンはトロイア戦争でトロイア側に付きました。

エウロペーの誘拐

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