1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードが、絵画で分かりやすい。また、ギリシャ神話はあなたの美術鑑賞に役立ちます。姉妹サイト〈1話5分で読める聖書-アートバイブル

ゼウス完全制覇へ ギガントマキア


ジュリオ・ロマーノ〈ギガントマキア〉

ティタノマキア」を制したゼウスは、ティターンをタルタロス(奈落)に封じ込めました。それに怒った大地女神ガイアは、ギガンテス(巨人族)を生み出し、ゼウスたちオリンポスの神々と戦わせました。これが、ギガントマキア(巨人族戦争)です。

ギガンテスは、母ガイアが与えた神々には決して殺せない特殊な資質を持っていました。倒すには、なんということでしょうか?弱小な人間の力が必要になるのです。それを知っていたゼウスは、アルクメネーに半神半人のヘラクレスを生ませていました。

戦いは宇宙規模の壮絶なものになりました。ギガンテスは山を切り崩して投げつけたり、ぜウスの雷鳴がとどろき、大地は震えました。が、神々はギガンテスを天から打ち落とすと、ヘラクレスがヒュドラーの毒の強弓で次々ととどめをさします。こうして、オリンポス側はティタノマキアに続き、ギガントマキアにも勝利したのです。


グイド・レーニ〈ギガントマキア〉

ティターンもギガンテスも、母親は女神ガイア。息子たちを幽閉されたり、殺されて怒りが収まらない女神は、究極の怪物ともいうべきチュポーンをタルタロス(原初の神々の一人)との間に生み落としました。チュポーンの大きさは、頭は天に届き、両腕を広げると世界の果てにまで達します。また、その両肩からは恐ろしい竜蛇の頭が百も生え出ています。

チュポーン
〈チュポーン〉

チュポーンに恐れをなしたオリンポスの神々は動物に化けて、エジプトまで逃げ去りました。それで、エジプトの神々は動物の姿をしているとの説もあります。

一人残ったゼウスは激しい雷霆を放つと、天も海も地の底タルタロスも凄まじく反響しました。しかし、とうとうゼウスは力つき、チュポーンに手足の腱を切り取られ、岩窟に閉じ込められてしまいました。

救出に向かったのが、息子ヘルメース。盗みの神といわれる彼は、隠されたゼウスの手足の腱を巧みに探しあて、ゼウスの身体に戻しました。ゼウスは力を回復し、再び激しい戦いになりました。

ゼウスに完全に勝つために、テュポーンは運命の女神たちを脅し、どんな願いも叶うという「勝利の果実」を手に入れました。が、その実を食べた途端、テュポーンは力を失ってしまいました。実は女神たちがテューポーンに与えたのは、決して望みが叶うことはないという「無常の果実」だったのです。

こうして、ゼウスは力の弱ったチュポーンを雷霆で倒し、タルタロスへ投げ込み封じました。ここにいたり、大地女神ガイアもゼウスを世界の王であると認めざるをえませんでした。