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古代オリンピックの想像図〈古代オリンピックの想像図〉

パトロクロスの葬送競技(オリンピックの起源)

薪も燃え尽くし、パトロクロスの骨は集められ、黄金の壺に入れられました。その後、アキレウスはギリシャ勢を引き止め、競技会を催したのです。賞品として、自分の船陣からたくさんの財宝と美しい女たちを連れてこさせました。

第一の競技「戦車競争」
「馬と戦車に自信のあるものは、誰でも競技に参加してもらいたい」
エウメロス、ディオメデス、メネラオス、アンティロコス、メリオネスの五人が名乗りをあげました。

エウメロスの馬はアポロンが育てたこともあり、アポロンはエウメロスに迫ってきたディオメデスの鞭をはたき落としました。このことに気づいたアテナが鞭をディオメデスに渡し、馬にも力を与えました。結果、ディオメデスが勝利を手にしました。

第二の競技「拳闘」
「力優れた二人に、しっかり身構え拳で打ち合ってもらいたい」
エイペイオスの勝利。彼の一撃がエウリュアロスの頬を打つと、もはや立ってはいられません。

第三の競技「角技」
大アイアスvsオデュッセウス。二人の戦いは壮絶で、二人とも足を絡ませ、最後は二人とも倒れてしまいました。もはや、これまでとアキレウスは二人を止めます。
「二人とも、もうへとへとになるまで戦うのはやめた方がよい。賞品は両者同じものを受け取ってもらいたい」

第四の競技「徒競走」
オイレウスの子、俊足の小アイアスに続いてオデュッセウス、その後を若手の中で一番のアンティロコスが追っています。オデュッセウスは、競技の終盤にアテナに祈願しました。
「女神よ、どうか私の足に力を授けてください」

すると、アテナの妨害で、小アイアスが足を滑らせ砂につっぷしました。結果、オデュッセウスの勝利。小アイアスはこう苦言を呈しました。

「確かに、ある女神がわしの足を取られたのだ。いつもオデュッセウスに母親のようについている女神だよ」
最下位のアンティロコスもからかいます。

「みなさん、もうご存知のように、どうも神々は年配の人々を大切にするようですな。小アイアスは私より少し上ですが、オデュッセウスを指すと、こちらの方は我らの前の世代、青いお年寄りです」

古代ギリシャの槍試合
第五の競技「槍試合」
アキレウスは、パトロクロスに討たれたトロイアの勇将サルペドンの武具を賞品にして、完全武装の槍試合を宣言しました。

大アイアスvsディオメデス。二人は三たび躍りかかりました。その後ディオメデスが大アイアスの首を狙っているのを見て、ギリシャ勢は大アイアスの身を案じ、試合を止めさせました。アキレウスはディオメデスが優勢だったと、彼に賞品を渡しました。

第六の競技「鉄の塊」(円盤投?)
参加者はポリュポイテス、レオンテウス、大アイアス、エポイオスの4人。エペイオスは笑われるほどの距離しか投げられず、レオンテウスと大アイアスはエペイオスよりはるかに遠くへ投げました。しかし、最後にポリュポイテスが上回り勝利しました。

第七の競技「弓」
船の帆柱にひもで足を結わいた鳩が的。弓の名手テウクロスが真っ先に名乗りをあげます。次にメリオネス。まず、くじ引きでテウクロスが矢を放ちます。しかし、鳩には当たらず、ひもを射抜きました。鳩は空に舞い上がります。

ギリシャ随一の弓の名手テウクロスがなぜ的を外したかというと、弓の神アポロンに羊の捧げ物を約束しなかったからです。

今度はテウクロスから弓をひったくると、メリオネスはまずアポロンに初子の羊の捧げ物を約束し、矢を放つます。すると、空中高く飛んでいた鳩に見事命中。もちろん。アポロンの加護があってのことです。

第八の競技「槍投げ」
賞品は槍と釜。総大将アガメムノンとメリオネスが立ち上がりましが、アキレウスは宣言しました。
「アトレウスの子アガメムノンよ。あなたがいかに万人に優れ、力と投げ技に秀でているかみな承知している。どうか、賞品を受け取ってもらいたい。メリオネスにも槍を与えるつもりでいる」

アガメムノンにも依存はなく、受け取った賞品の槍をメリオネスに与えました。ここにアキレウスとアガメムノンの和解が成就したのです。