アフロディーテ(ビーナス)の浮気
美の象徴アフロディーテの夫はびっこで不細工、しかし、高い技術を持った神ヘーパイストス。そして、間男が軍神アレスです。
太陽神ヘリオスは、朝早く4頭の馬にひかせた馬車で天へ昇っていきます。
だから、朝方までアフロディーテとアレスが一緒の浮気現場をたびたび見ていました。そんな太陽神はヘーパイストスが気の毒になって、アフロディーテの浮気を伝えました。
当然、ヘーパイストスは憤慨しました。しかし、妻に浮気を問いただすことはしませんでした。なぜか? ベッドの上に見えないワナを張りめぐらしたのです。
ある朝、
ヘーパイストス「仕事に行ってくるよ」
アフロディーテ「行ってらっしゃい、あなた」
夫を送り出したアフロディーテ。すぐに、軍神アレスがやってきます。はたして、浮気はどうばれてしまうのでしょうか?
若きテーセウスとペイリトオス
テーセウスは、ギリシャ神話の大英雄です。しかし、親友のペイリトオスとの行動では、若気のいたりとしか言いようがない事件を起こしました。
二人とも妻と死別した時、新しい奥さんは誰がいいか、話し合っているときのことです。
ペイリトオス「どうだ、ゼウスの娘なんか」
テーセウス「うん、ゼウスの娘いいね」
候補に上がったのが、まだ幼かったアルゴスのヘレネー。後にトロイア戦争の原因となった乙女。小さい時から可愛く美人と評判でした。だから、ヘレネーを選ぶことは普通に考えられます。
ですが、この先がいけません。なんと、もう一人に冥界の王ハーデースの現在の奥さんペルセポネーを選んだのです。
テーセウスがヘレネー、ペイリトオスがペルセポネーに決まりました。
二人はいとも簡単にヘレネーを誘拐して、テーセウスの母アイトラーにあずけます。その後、二人はふつう人間には行けない冥界に簡単に行きました。はたして、二人の運命は?
〈ヘレネとサイコロで遊ぶテセウスとペイリトオス〉
曙の女神エーオースの愛したティトノス
あなたは〈不死〉になりたいですか?
なれるとしても、〈もう1つ〉のことをけっして忘れないでください。「恋は盲目」と言いますが、この曙の女神エーオースは「恋はうっかり」でしょうか。
エーオースは、朝早くアポローンの前で、天への道を登っていきます。この女神が愛したのが、美青年ティトノス。あのトロイアの王プリアモスの兄弟です。
トロイア王家は、美少年を多く輩出する家系です。
ゼウスに連れ去られた初代の王トロースの子ガニュメデス。「神にも見紛う」と『イリアス』では表現されているパリス。パリスの兄ヘクトールも、絵画ではイケメン。そして、このティトノスも美青年です。
「ティトノスと永遠に一緒にいたい!」と、エーオースはゼウスにお願いし、ティトノスを〈不死〉にしてもらいました。
しかし、時がたち......。後悔したエーオースはティトノスに見切りをつけ、彼をセミに変えてしまいます。
いったい、何があったのでしょうか?
ラルグネ〈アウロラ(エーオース)の出発〉