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虹の女神イリス〈ヘラとイリス〉一部

虹の女神イリスは、ゼウスの妃ヘラの忠実な使いであり、その神話において興味深い役割を果たしています。

この記事では、イリスの起源や彼女が巻き込まれたギリシャ神話に焦点を当て、その神秘的な役割を明らかにしていきます。

虹の女神イリスは、ゼウスの妃ヘラの忠実な使い

イリスは、虹の女神。イリスは、ギリシア語で「虹」を意味します。また、イリスの聖花はアヤメ(アイリス)ですが、この名もイリスに由来します。

ヘルメスがゼウスの使いであるように、イリスはヘラの忠実な使いとされます。

ヘシオドス『神統記』によれば、イリスはタウマスとオケアノスの娘エレクトラの娘で、ハルピュイアの姉です。イリスは翼を持った美しい女性で描かれることが多く、醜悪なハルピュイア(人間の頭と胸部に鳥の体)が妹だったとは想像すらできませんでした。

ハルピュイアは、アエッロ(旋風)とオキュペテ(速飛び)、敏捷な翼で、風の息吹や鳥たちにも後れをとらぬほど、空を飛びます。

女神ヘラは、すでに死んだケーユクスに対するアルキュオネーの女神への祈りに耐えられなくなってきました。そこで、虹の使者イリスを呼んで、命じました。

「イリスよ、眠りの神ヒュプノスの館に行って、ケーユクスの死んだことをアルキュオネーの夢枕に立って伝えてもらうように」。モルペウスはヒュプノスの息子です。

また、女神ヘラに妬まれたアポロンの母となる女神レトは、最後にデーロス島にたどり着きました。その出産の苦しみに9日間耐えねばなりませんでした。

そこで、レトの元に集まった女神たちは、デーロス島にヘラの娘・出産の女神エイレイテュイアを連れてくるようにイリスに頼みました。

エイレイテュイアは女神たちの説得により、イリスは彼女をヘラの目を避けて呼び出し、デーロス島へ連れて行きました。

そして、レトはすぐにアポロンを出産したと伝えられています。

カワセミの話 アルキュオネー

イリスに起されるモルペウス〈イリスに起されるモルペウス〉

イリスはゼウスの命で、ステュクス河の水を汲みに行く

神々に嘘があると見ぬくと、ゼウスはイリスにステュクス河の水を汲んでくるよう命令します。この水を飲んでおきながら、偽りの誓いをすると、一年間、呼吸を止めて横たわり、アンブロシアとネクタルの飲食が与えられません。

息もせず声も出せない昏睡に包まれます。また、九年間他の神々から離されて、会議にも宴席にも出られず、再び参加できるのは10年経ってからです。

なお、「ステュクスに対して誓う」ことは、神々でさえ覆すことはできません。アポロンは息子パエトンの願いをかなえる時、自分が少年の父であることを証明するために、ステュクスに誓いを立てました。そのため、無理と分かっていても、太陽の馬車に乗せざるをえなかったのです。

パエトンの墜落

ステュクス河の水を運ぶイリス〈ステュクス河の水を運ぶイリス〉

まとめ

虹の女神イリスは、ゼウスの妃ヘラに仕える忠実な使者であり、その神話には興味深いエピソードが詰まっています。

彼女はヘラの命令で夢の中に現れたり、ゼウスの使者として重要な使命を果たしたりしました。

イリスは鮮やかな輝きを放っており、ギリシャ神話の神秘と魅力を感じさせます。

彼女の神話は、読者に神秘的で奇想天外な世界を紹介し、ギリシャ神話の魅力に触れさせてくれます。