ギリシャ神話の失敗談BEST3を見ていきましょう!
壮大な神々や英雄の物語の中には、「それ、ちょっと軽率すぎない?」と思わずツッコミたくなるような、“うっかり”や“考えなし”の行動が登場します。
美の女神アフロディテ(ビーナス)の大胆すぎる浮気、英雄テセウスと親友が引き起こした誘拐事件、そして曙の女神エオスが「恋は盲目」を地で行った悲劇。
どれも神話の中でも特に「やっちゃった感」が強いエピソードばかりです。果たして、彼らの軽率な選択はどんな結末を迎えたのでしょうか?
アフロディテ(ビーナス)の浮気
美の女神アフロディテの夫は、不格好だが高い技術を持つ神ヘパイストス。そして、彼女の浮気相手は軍神アレスでした。
太陽神ヘリオスは、毎朝、4頭の馬に引かれた馬車で天を昇ります。
そのため、アフロディテとアレスが夜明けまで密会している姿をたびたび目撃していました。ヘリオスはヘパイストスを気の毒に思い、アフロディテの浮気を伝えます。
当然、ヘパイストスは激怒。しかし、直接問い詰めることはせず、ベッドの上に見えないワナを仕掛けました。
ある朝。
ヘパイストス「仕事に行ってくるよ」
アフロディテ「行ってらっしゃい、あなた」
夫を送り出すと、すぐに軍神アレスがやってきます。果たして、浮気はどのようにして暴かれるのでしょうか?
>>アフロディテ(ビーナス)の浮気。アポロン、アレスをうらやましがる!
若きテセウスとペイリトオス
テセウスは、ギリシャ神話の大英雄です。しかし、親友ペイリトオスとの行動では、若気の至りとしか言いようがない事件を起こしました。
二人がそれぞれ妻を亡くしたとき、新しい伴侶をどうするか話し合います。
ペイリトオス「どうだ、ゼウスの娘なんか」
テセウス「うん、ゼウスの娘いいね」
こうして候補に挙がったのが、まだ幼かったアルゴスのヘレネ。後にトロイア戦争の原因となる乙女です。幼いころから美しく、評判の少女でした。彼女を選ぶのは、ある意味当然だったかもしれません。
しかし、問題はその次です。なんと、もう一人の候補として冥界の王ハデスの妻、ペルセポネを選んでしまったのです。
テセウスはヘレネを、ペイリトオスはペルセポネを狙うことに決定。
まず二人は、あっさりとヘレネを誘拐し、テセウスの母アイトラーに預けました。その後、ふつうの人間には行けない冥界へと向かいます。
果たして、この大胆すぎる計画の結末は……?
〈ヘレネとサイコロで遊ぶテセウスとペイリトオス〉
曙の女神エオス様、「不死」ならいいの?
あなたは「不死」になりたいですか?
もしなれるとしても、「もう一つ」忘れてはならないことがあります。
「恋は盲目」と言いますが、この曙の女神エオスの場合は、「恋はうっかり」でしょうか。
エオスは、朝早くアポロンの前を進み、天へと昇っていきます。彼女が愛したのは、美青年ティトノス。トロイア王プリアモスの兄弟でした。
トロイア王家は、美男子ぞろいの家系です。
ゼウスにさらわれた初代王トロースの息子ガニュメデス。「神にも見紛う」と『イリアス』で称賛されたパリス。その兄ヘクトルも、絵画では端正な顔立ち。そして、ティトノスも例にもれず、美しい青年でした。
「ティトノスと永遠に一緒にいたい!」
エオスはゼウスに願い、ティトノスを「不死」にしてもらいます。
しかし、時がたつにつれ、エオスはある大きな間違いに気づきます。そして、ついにはティトノスを見限り、彼をセミに変えてしまうのです。
いったい何が起こったのでしょうか?
ラルグネ〈アウロラ(エオス)の出発〉
ギリシャ神話の軽率すぎるBEST3[まとめ]
神々や英雄も、完璧ではありません。
アフロディテは浮気がバレて恥をかき、テセウスとペイリトオスは無謀な計画で痛い目に遭い、エオスは願い方を間違えて最愛の恋人をセミにしてしまいました。
どの話も「もっと考えて行動すればよかったのに……」と思わずにはいられません。
ギリシャ神話は、壮大な神々の戦いや英雄の冒険だけではなく、こうした失敗談や人間くさいエピソードがあるからこそ面白いのです。
もし、あなたが何かを決断するとき、この神話を思い出してください。「軽率な選択が、大きな後悔につながるかも?」……そんな教訓が、今も私たちに響いてきます。