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[オリュンポスの十二神+α]知ってる?〈レア〉エピソード集

(更新日:2022.02.08)

オリュンポス十二神の〈レア〉なエピソードを取り上げてみました。少しマニアックかもしれませんが、知らない方も多いと思います。

オリュンポス十二神は以下の神々です。
酒神ディオニュソスの代わりに、炉の神ヘスティアーが入ることもあります。ヘスティアーは自分の代わりに、甥であるディオニュソスに十二神の座を譲りました。

ヘスティアーは、オリュンポスの神々の中では一番年長者になります。女神はポセイドーンとアポローンから求婚されました。しかしどちらも断り、ゼウスに永遠の処女と認められたました。ヘスティアー、アテーナ、アルテミスの3人が処女神です。

※ハーデースは冥界の王ですから、オリュンポスの十二神には入りません。ここでは、ゼウス、ポセイドーンと一緒に代表的な神なので紹介しています。

  1. 大神ゼウス
  2. 女神ヘーラー
  3. 海神ポセイドーン
  4. 女神アテーナ
  5. 軍神アレース
  6. 太陽神アポローン
  7. 月の女神アルテミス
  8. 美の女神アフロディーテ
  9. 鍛冶の神ヘーパイストス
  10. 豊穣の女神デーメーテール
  11. 嘘と泥棒の神ヘルメース
  12. 酒神ディオニュソス
  13. 冥界の王ハーデース

[オリュンポス十二神①]大神ゼウス

カッコウ

ゼウスがまだ掟の女神テミスと結婚していたころ、美しかった女神ヘーラーに恋しました。そのとき、なんとゼウスは鳥のカッコウに化けてヘーラーに近づいたのです。

なぜ、鳥のカッコウだったのでしょうか? 女神に「可愛い!」と思われたかったのでしょうが、大神としての本来の姿に戻ったとき、なんと説明したのでしょうか? 残念ながら言い伝えはありません。

しかし、既婚者のゼウスをヘーラーは最初は受けつけず、「結婚してくれれば、抱いてもいいわ」と言ったのです。ゼウスは仕方なく「テミスとは離婚する」と言い、ヘーラーと結婚することになったのです。

[オリュンポス十二神②]女神ヘーラー

女神ヘーラー

ゼウスが浮気すると、ヘーラーは相手の女神や女性に嫉妬して怒ります。また、ヘラクレスの場合は、浮気相手の息子として数々の難行を与えました。このように、ヘーラーには「嫉妬するおばさん」のイメージがついてしまい、ゼウスにも愛されることが少なくなったようです。

ところが、毎年春になると、ヘーラーはナウプリアのカナートスの聖なる泉で沐浴します。女神はリフレッシュすると、若さを取り戻し、美の女神アプロディーテにも劣らず美しくなります。このときは、さすがにゼウスも他の女神や女性には目もくれずにヘーラーを愛したといいます。

[オリュンポス十二神③]海神ポセイドーン

海神ポセイドーンとアンピトリーテー

ポセイドーンの妃アンピトリーテーは絶世の女神です。そんな女神ですが、怪物を飼育しています。代表的な怪物は、アンドロメダを救うためにペルセウスが倒した怪物ケートスです。

また、ポセイドーンの求婚から逃げたアンピトリーテーを探し出したのが1匹のイルカです。このお手柄によって、イルカは天にあげられ〈いるか座〉になりました。
また、ポセイドーンとアンピトリーテーの子供がトリートーンです。手塚治虫の漫画『海のトリトン』。トリトンは可愛いですが、トリートーンは海の怪物です。

[オリュンポス十二神④]女神アテーナ

女神アテーナ

アテーナ、アルテミス、ヘスティアの三女神が処女です。
アテーナは、一度鍛冶の神ヘーパイストスに襲われたことがあります。鍛冶の神が、妻であるアプロディーテに相手にされなかったときのこと。アテーナが仕事場にやってきたとき、ヘーパイストスがアテーナに欲情したのです。

逃げるアテーナを追いかけたヘーパイストスは、思わず女神の足に精液を漏らしてしまいました。女神がそれを羊毛でふき取り大地に投げると、そこからエリクトニオスが誕生しました。この子は、上半身が人間で下半身が蛇です。アテーナは彼を自分の神殿で育てました。だから、アテーナの子供がエリクトニオスと言われることもあるのです。

[オリュンポス十二神⑤]軍神アレース

軍神アレース

アレースは軍神ですから、かなり強いのだろうと思われています。ところが、女神アテーナよりはるかに弱いのです。それが発覚したのは、トロイア戦争の時です。

トロイア戦争では、オリュンポスの神々もギリシャ側とトロイア側に別れ、戦ったのです。アテーナはギリシャ側で、アレースはトロイア側で戦いました。

アテーナvsアレース。どちらが勝ったと思いますか?

アレースがアテーナに躍りかかり、槍でアイギスの楯を突きます。アテーナは後ろに下がると、大きな石を拾い上げ、アレースに投げつけました。石は、首のあたりを直撃。アレースは大きく手足を伸ばし、仰向けに倒れ気絶してしまいました。
「愚か者アレースよ。私の方がそなたよりどれほど強いか、まだわかっていないのか」と、アテーナ。

この時、アレースの愛人アフロディーテが、助けおこし連れて行こうとしました。アテーナは二人に近づくと、彼女の胸を一撃。今度は二人とも、地面に横たわります。

[オリュンポス十二神⑥]太陽神アポローン

太陽神アポローン

アポローンの「初恋」の相手はダプネー。彼女が月桂樹に変身して、アポローンの悲恋に終わったことはよく知られています。その後も彼女のことが忘れられず、アポローンは月桂樹を自分の樹にし、勝者の冠に月桂樹を使うようになりました。

また、ダプネーだけでなく、アポローンの恋は悲恋に終わることが多いのを知っていますか。

たとえば、トロイアの姫カッサンドラー。アポローンは彼女に予言の力を与えて、恋人にしようとしました。彼女は予言の力を得た瞬間、アポローンとの別れを予知します。だから、カッサンドラーはアポローンを拒みました。アポロンは怒り、彼女の予言を誰も信じないようにしました。トロイアの木馬を城内に入れるとき、カッサンドラーは反対しましたが、市民は誰も彼女を信じずトロイアは陥落しました。

また、医学の神アスクレピオスの母コローニスはアポローンを裏切り、イスキュスという男を愛しました。アポローンはコローニスを弓矢で射殺しました。このとき、アポローンにコローニスの不義を伝えたのが、白いカラス。その後、アポローンの怒りによって黒いカラスとなったのです。

[オリュンポス十二神⑦]月の女神アルテミス

月の女神アルテミス

アルテミスは、冷酷なの処女神といえましょう。

アクタイオーンは狩りの後涼しげな場所を求めて、たまたまアルテミスの聖なる泉を見つけました。このとき女神と従者のニンフたちが、水浴していたのです。アルテミスは怒り、言い放ちました。
「わたしの裸を見たと言いふらすがいい。それができればね」
アクタイオーンは、牡鹿に変身させられました。その後、狩の彼の友と犬たちに追われ、死をむかえます。

また、付き従っているニンフのカリストーが、アルテミスに化けたゼウスに言い寄られ、妊娠してしまいます。やがて、お腹が大きくなったカリストー。女神にばれて、クマに変身させられ追放されます。悪いのはゼウスとわかっていたはずなのですが。

[オリュンポス十二神⑧]美の女神アフロディーテ

美の女神アフロディーテ

夫ヘーパイストスは鍛冶の神で不男でした。それが原因かどうかわかりませんが、美の女神アフロディーテには、多くの愛人がいました。

人間の愛人ではトロイアの武将アンキセス。彼はローマ建国の父アイネイアースの父親です。そして、女神のツバメ(年下の愛人)がアネモネの花になったアドニス。同じ神では、軍神アレースが女神の代表的な愛人です。その情事のエピソードは次を参照してください。

[オリュンポス十二神⑨]鍛冶の神ヘーパイストス

鍛冶の神ヘーパイストス

天界の『美女と野獣』の組み合わせ。ヘーパイストスは神々の中で1番の不男。そんな彼は父ゼウスにより、神々の中でも1番の美女アフロディーテを奥さんにしました。ゼウスの雷霆(イカヅチ)を鍛えたからです。

しかし、アフロディーテは浮気のし放題。オリュンポスでは、女神と軍神アレースとの関係は知らぬ者がいないほど。2人の浮気現場をたびたび見ていた太陽神ヘリオスは、ヘーパイストスが気の毒になり、密告します。ヘーパイストスはじっと耐えて、アフロディーテとアレースのベッドに罠を仕かけます。

こうして、アフロディーテとアレースの浮気は神々にさらされることになったのです。

[オリュンポス十二神⑩]豊穣の女神デーメーテール

豊穣の女神デーメーテール

デーメーテールの娘ペルセポネーが失踪しました。デーメーテールは「ハーデースがゼウスにそそのかされてペルセポネーを冥界に連れ去った」と知ります。しかし、ハーデースは〈名高き人〉〈富者〉〈良き忠告者〉と言われています。ハーデースが自分からそんなことをするはずがないと考え、女神は天界のゼウスに抗議します。

「冥界の王ハーデースなら、ペルセポネーの夫としては不釣合いではないだろう」
ゼウスはハーデースをそそのかしたことを認め、ハーデースにペルセポネーを天界に戻すよう命じます。しかし、ペルセポネーは冥界のザクロの実を食べたため、冥界に1年の1/3はハーデースといることになったのです。

デーメーテールがハーデースがペルセポネーを略奪したと知ったのは、アレトゥーサの告白からという別説もあります。

[オリュンポス十二神⑪]嘘と泥棒の神ヘルメース

嘘と泥棒の神ヘルメース

早朝に生まれ、昼にはゆりかごを抜けだしたヘルメース。アポローンの飼っていた牛50頭を盗みます。牛たちを後ろ向きに歩かせ、偽装までしました。牛がいないことに気付いたアポローン。牛たちの足跡の偽装に戸惑いますが、鳥占いにより、犯人はヘルメースだとわかりました。

アポローンは、ヘルメースの母マイアを責めました。しかし、母はオムツをした赤子を指差し、「???」不可解だと訴えます。今度は、アポローンはゼウスの前にヘルメースを連れて行きます。ヘルメースは牛を盗んだことを否定しましたが、ゼウスは牛を返すように命令しました。

まだ納得できないアポローン。そのとき、ヘルメースは捕らえた亀の甲羅に牛の腸で作ったガットを張った竪琴を奏でました。アポローンは、牛と竪琴を交換することでヘルメースを許します。
さらにヘルメースが葦笛をこしらえると、アポローンはケーリュケイオンの杖と葦笛を交換しました。

[オリュンポス十二神⑫]酒神ディオニュソス

ディオニュソスとアリアドネー

ラビリンス(迷宮)でミノタウロスを倒したテーセウス。糸玉によって助けてくれたアリアドネーを伴い、アテーナイに帰る時ナクソス島で休憩しました。

その時、アリアドネーの父ミーノース王の追手が迫り、テーセウスたちは急遽出発。昼寝をしていたアリアドネーは誰にも気づかれず、置いていかれたのです。別説では、女神アテーナが置いていくように指示したとも言われています。

悲しみに囚われたアリアドネーを見つけ、妻にしたのが若き酒神ディオニュソスでした。

[オリュンポス12神+α]冥界の王ハーデース

冥界の王ハーデース

ハーデースは〈富者〉〈名高き人〉〈良き忠告者〉といわれ、浮いた話がありません。また、妃になるペルセポネーを略奪したのは、彼にとっては珍しく大胆な行動だったようです。それもそのはず、ゼウスがどうもそそのかしたからのようです。

また、ハーデースとペルセポネーには子供はいません。
オルペウス教に登場する少年神ザグレウスがハーデースの子ともいわれますが、彼はゼウスの子ともいわれたり、また酒神ディオニュソスの別名ともいわれています。

冥界は死者が最後に行くところ。だから、死の国で子供が誕生するということはないのかもしれません?

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