【3処女神】へ力テー、アテナ、アルテミス
(更新日:2021.04.23)
女神ヘカテー はあまり名前が知られていませんが、アテナ、アルテミスとともに珍しい処女神。
ヘカテーは冥界と関係付けられていたり、月の女神とも思われているので、ファンタスティックな絵画が多くあります。
ゆっくりと、魅力的な絵画をご覧になってください。
ウィリアム・ブレイク〈ヘカテー〉
3面3体の姿をしたヘカテ―
ギリシャ神話の神々は男神も女神もみな好色です。そんな中、ヘカテー、アテナ、アルテミスは処女神で男神にも人間の男にも体を許したことはありません。とうぜん、三女神には子供がいません。
ホメロスはヘカテーについて一切語っていませんが、ヘシオドスは《テオゴニア》で熱烈な称讃を与えている女神です。ヘシオドスによれば、へ力テーはティーターン神族アステリアーとペルセースとの娘で『ペルセーイス』と呼ばれています。
へ力テーは、人間に富、会議での雄弁、戦と競技での勝利、馬術、漁業、家畜の飼育での成功、育児など、あらゆる面での幸を与えます。ティタノマキア(ティーターン神族とオリュンポスの神々との戦い)で勝利したゼウスですが、ティーターン神族のへ力テーを尊び、彼女の本来の力をなに一つ奪わず、天上、地上、海中での力を与えました。
モロー〈ゼウスとセメレー〉の中のへ力テー
呪法の女神ヘカテ―
ヘラクレス誕生の際、へ力テーはイタチに変えられてしまったガランティスを憐れみ、自分の召使の聖獣としました。
また、へ力テーはギガントマキア(巨人族とオリュンポスの神々の戦い)にも参加しており、ギガースの一人クリュティオスを松明の炎で倒しています。ギガースの1人を倒しているのはオリュムポスの12神の神々以外ではヘカテーと運命の女神モイライのみであり、ここでも別格の扱いを受けています。
しかし、へ力テーはのち地下の冥界と関係づけられ、あらゆる精霊、呪法の女神となり、炬火(たいまつ)を手にし、吠えたける地獄の犬の群を従えた恐ろしい姿で、十字路、三叉(または二叉)の道に現われるもの、あるいは牝犬、牝馬、牝狼となって人に姿を現わすと考えられるようになりました。
〈3面体のへ力テー〉
三つの身体を有し、三叉の道のおのおのを眺める姿がへ力テーの彫刻における代表的なものです。このような道の交叉点で、彼女に毎月供物が供えられ、貧民の食事となりました。
また、へ力テーは婦人たちの女神、また、夜の女神として、しばしば月神のアルテミスやセレーネーと混同されています。
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〈へ力テー〉
〈へ力テー〉