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アイネイアス

あらすじ

戦場でアキレウスとアイネイアスが対峙します。互いに家系と誇りを語って激しく言い争った後、二人は槍を投げ合い戦いに突入しました。

しかし海神ポセイドンは、アイネイアスはこの戦争で死ぬ運命ではないと考え、霧でアキレウスの視界を遮って彼を戦場の外へ救い出します。

その後アキレウスはトロイア軍を激しく討ち倒し、ついにはヘクトルの弟ポリュドロスをも討ち取りました。

怒りに燃えるヘクトルはアキレウスの前に立ちますが、女神アテナが槍をそらし、さらにアポロンがヘクトルを戦場から連れ去ります。

怒りに燃えたアキレウスは鬼神のごとくトロイア軍をなぎ倒していきました。

アキレウスとアイネイアス、英雄同士の対決

アキレウスが口を開きました。
「アイネイアスよ、そなたはかつて一度私の前から逃げ出したではないか。なぜまた来た。私を倒してトロイアの王位でも継ぐつもりか。そんなことは決して起こらぬ。痛い目に遭う前に、私の前から消え去れ。あとになって気づいても、それは愚か者というものだ」

アイネイアスは答えます。
「アキレウスよ、言葉で私を脅そうとしても無駄だ。おぬしの母は海神ネレウスの娘テティス。だが私の母はオリュンポス十二神の一柱アフロディテだ。位の違いが分からぬのか。

それに我が家系はゼウスの子ダルダノスから始まり、トロイア王家へと続いている。その一族には、ゼウスに愛され天に上げられたガニュメデス、曙の女神エオスに愛されたティトノスもいる。だが今は言い争いをしている場合ではない。戦いで決着をつけよう」

そう言い終えると、アイネイアスは槍を投げました。槍はヘパイストスが作ったアキレウスの盾に突き刺さります。しかしその盾は、青銅二層、黄金一層、錫二層という五重の構造です。槍は三層目の黄金で止まりました。

続いてアキレウスが槍を投げると、槍は盾の縁をかすめて地面に突き刺さります。すぐにアキレウスは太刀を抜いて襲いかかりました。対するアイネイアスは巨大な石を持ち上げて応じようとします。

ポセイドン、アイネイアスを救う

その時、海神ポセイドンは事態を見て焦りました。
「ああ、このままではアイネイアスが討たれてしまう。だが彼はこの戦争では死なぬ運命だ。もしここで死ねば、ゼウスが怒るだろう。ヘラよ、このままではまずい。誰かが彼を救わねばならぬ」

ヘラは冷静に答えました。
「ポセイドンよ、それならそなたが助ければよいではないか」

ポセイドンはただちに戦場へ降り立ちました。まずアキレウスの目に濃い霧をかけ、アイネイアスの盾に刺さった槍を引き抜いてアキレウスの足元に戻します。さらにアイネイアスの体を宙に持ち上げ、戦場の端へと運びました。

そして言います。
「アイネイアスよ、なんと無謀なことをするのだ。アキレウスと正面から戦ってはならぬ。彼の運命が尽きた後ならば、堂々と戦えばよい」

そう言い残すとポセイドンは去りました。

霧が晴れるとアキレウスは不思議そうに言いました。
「奇妙なことだ。槍はここにあるのに、狙った男の姿が見えぬ。どうやらアイネイアスは神々に守られているらしい」

そう言うと、アキレウスは再び隊列に戻り、ギリシャ軍を鼓舞しました。

ポセイドン

ヘクトル、アキレウスに挑もうとする

一方ヘクトルもトロイア軍を励ましていました。
「アキレウスを恐れるな。確かに彼は強い。だが私も戦うつもりだ。神が助けてくれるかもしれぬ」

しかしその時、アポロンが近づいて言いました。
「ヘクトルよ、今は断じてアキレウスと戦ってはならぬ」

神はヘクトルを制し、時を待つように命じたのです。

アキレウスとヘクトル、ついに対峙する

アキレウスは鬼神のような勢いでトロイアの武将たちを次々と倒していきました。その中にはヘクトルの弟ポリュドロスもいました。これを見て、ヘクトルはもはや退くことができず、ついにアキレウスの前へ進み出ます。

アキレウスは叫びました。
「来たな、我が最愛の友を殺したヘクトルよ。もはや逃げることは許さぬ」

ヘクトルはすぐに槍を投げました。しかし女神アテナが息を吹きかけると、槍は力を失い足元に落ちます。

今度はアキレウスが襲いかかろうとしました。するとアポロンがたちまちヘクトルを包み込み、戦場から連れ去ってしまいました。

アキレウスは怒りに燃えて叫びます。
「またしても命拾いしたな、この犬め。アポロンが救ったのだろう。だが次に会えば必ず仕留めてやる」

こうしてアキレウスは再び戦場へ向かい、トロイアの武将たちを次々となぎ倒していきました。その姿はまさに鬼神のごとく、彼の進むところ戦場は血の海となったのです。