1話5分で読めるギリシャ神話

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悲しみのアリアドネー

悲嘆にくれるアリアドネー
アンジェリカ・カウフマン〈悲嘆にくれるアリアドネー〉

テーセウスに取り残されたミーノース王の娘アリアドネー。

テーセウス様
将来を誓いあったのに、なぜ?
あのダイダロスに頼んで
ミノタウロスを倒しからラビリンスの脱出方法まで
教えてあげたのに......

しかし、女神アフロディーテは、失った人間の恋人の代わりに、天上の恋人を授けようとしていました。

捨てる神あれば、拾う神あり、です。
文字通り、拾う神があったのです。

そこは、ナクソス島、ディオニュソス(バッカス)の島です。
いつものように島を散歩している彼の目に、悲嘆にくれたアリアドネーの姿が見えました。まだ、恋愛に疎かったディオニュソスには、もう女神のような美しさでした。

バッカスとアリアドネー
ジョヴァンニ・バッティスタ・ ピットーニ〈バッカスとアリアドネー〉ワルシャワ国立美術館

「ぼくの恋人になってよ!ぼくはこう見えてもゼウスの息子なんだ。決して怪しい神ではないよ」

「まぁ、初々しくて可愛らしい神様だこと。とても、チャーミングだわ」
一目惚れしやすいアリアドネー。もう、すっかりテーテスのことは忘れています。

ディオニュソスはアリアドネーを妻にし、結婚の贈り物に宝石をちりばめた黄金の冠を授けました。

彼女が死んだ時に、ディオニュソスは、その黄金の冠を天に投げあげました。天に近づくほど、その輝きは増して星になりました。

テーセウス物語 前編▶