1話5分で読めるギリシャ神話

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大洪水

黄金時代
ヨアヒム・ウテワール〈黄金時代〉メトロポリタン美術館

黄金の時代
まるでエデンの園の中で、人間は暮らしているようでした。
一年中、春のように暖かです。働くこともなく、いつでも自由に食べることもできました。

銀の時代
ゼウスは、春のような一年間を4つの季節(春・夏・秋・冬)に分けました。
そのため、人間は夏の暑さや冬の寒さを耐えなければなりません。そのため、はじめは洞くつの中で生活をしていましたが、家を造るようにもなりました。食べ物の種をまき、農作物を作ることも必要になりました。が、人間の心はまだ清らかでした。

青銅の時代
人間の気性が荒くなり、武器を持って争うことも多くなりました。
人間は嘘をついたり、暴力をふるったり、欲をかくようにもなりました。森の木々を切り倒し舟を造り、海に出てたくさんの生き物を殺しました。また、地の中を掘り進んで、様々な金属を得るようにもなりました。特に青銅や鉄は武器になり、「金」は人間の欲を刺激します。
お互いに信じあうこともなく、とうとう人間は安心して、暮らすこともできなくなりました。大地は殺しあいの血でそまり、神々は地上を見捨てて去っていきました。

大洪水
フランシス・ダンビー〈大洪水〉テート・ブリテン

ゼウスは地上の人間に怒り、決心しました。

神々を天上の宮殿に集めると、ゼウスは話しはじめました。
「わしは、地上の人間に愛想が尽きた。だから、今の人間を滅ぼし、新しい種族を作ろうと思う。もっとましな世界になり、神々への崇拝も復活するであろう!」
そして、雷(イカヅチ)を手にし、今まさに地上を焼き尽くそうとしました。しかし、地上が燃えさかり、天まで焼かれてしまうかもしれないと思い、洪水で溺れさせることにしました。

雨雲をふき散らかす北風を閉じ込め、南風を送り出しました。空は雨雲でおおわれ、滝のように雨が降り始めました。そして、兄ポセイドーンを呼び、川を氾濫させ、海も荒れさせました。たちまち、地上は水でおおわれ、一面の大海原となりました。生き物は溺れてほとんどが死んでしまい、生き残ったものも、食べ物がなく飢え死にしてしまいました。

大海原の中にパルナッソス山だけが海面に出ています。この山に逃れた二人の人間が生き残っていました。プロメテウスの息子デウカリオーンとその妻、エピメテウスとパンドラの娘ピュラーです。

新しい英雄の時代は、この二人に託されました。