〈ヘラクレスとアンタイオス〉
ヘラクレスとアンタイオスの格闘
アンタイオスは、大地女神ガイアの息子。力のある巨人で格闘の名手です。近くを通りかかる者には、必ず格闘の勝負を申し込みます。負けたら殺されるという条件付きです。そして、彼はいままで負けたことはありません。
ヘラクレスが通りかかった時も、無謀にも格闘の勝負を申し込みました。ヘラクレスは今までの相手とは、格段にその力が違います。何度もアンタイオスは、大地に叩きつけられました。が、彼はなんのダメージも受けません。
「なぜ、死にそうになるのに、すぐまた大地から起き上がってこれるのか?」
それは、アンタイオスが大地女神ガイアの子であるからです。そのため、大地に手や足がつくと、すぐ回復するのです。
何度か倒した後、ヘラクレスはやっとそのことに気付きました。それからは、地に叩き付けるのではなく、空中に彼を持ち上げたまま絞め殺してしまいました。
ヘラクレスとカークス
カークスはアウェンティヌス山に住む巨人で、鍛冶の神ヘパイストスの息子です。
ヘラクレスが「難業10 ゲーリュオーンの牛たち」を連れて帰る途中のことでした。彼が眠っているあいだに、カークスはその何頭かの牛を盗んだのです。しかも、巧妙にも牛の尻尾をつかみ、後ろ向きに歩かせ、連れ去ったのです。
ヘラクレスはまんまとその計略に引っかかり、足跡から追跡することはできませんでした。ヘラクレスは諦めて、他の牛たちを連れ出発しました。
しばらく行くと、道の近くの洞窟の中から牛の鳴き声が聞こえてきました。こうして、カークスは見つかってしまい、殺されてしまいました。はたして、カークスは利口なのか、馬鹿なのか?
〈カークスを倒すヘラクレス〉
ヘラクレスとオムパレーの穏やかな生活
ヘラに吹き込まれた狂気のため、ヘラクレスは友人イーピトスを殺してしまいました。
ヘラクレスはデルポイに赴いて神託を受けようとしましたが、なぜか巫女は神託を与えません。怒ったヘラクレスは神殿を掠奪し、三脚台など持ち去りました。
これに怒ったのがデルポイの主アポロン神。争いになりました。二人の父親であるゼウスは二人の間に雷霆をなげ、争いを止めさせました。
この結果、ヘラクレスは「3年間奴隷として仕えよ」との神託を受けました。
奴隷のヘラクレスを買ったのがオンパレーです。この3年間ヘラクレスは女の衣装を身に着けたり、羊毛の糸を紡いだり、彼としては比較的穏やかな生活を送ったということです。
フランシスコ〈ヘラクレスとオンパレー〉