アートバイブル
アートバイブル 1話5分で読める聖書
井の頭公園
井の頭公園

1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードを絵画から分かりやすくまとめています。ギリシャ神話は美術を鑑賞する時、必ずあなたの役に立ち想像力を羽ばたかせてくれます。

ヘラクレスの功業11・12

ヘスペリデスの園
エドワード・バーン=ジョーンズ〈ヘスペリデスの園〉

功業11 ヘスペリデスの黄金の林檎
その林檎(りんご)は、ゼウスとヘーラーが結婚する時に大地女神ガイアが贈ったものです。ヘーラーはこの林檎をヘスペロスの娘たち(ヘスペリデス)と眠らない竜ラードーンに守らせていました。

ヘラクレスはどうしても見つけられなかったので、あのプロメテウスに助言を乞いました。
「ヘスペリデスの父親アトラスなら探せるだろう」
この助言により、プロメテウスはカウカーソス山の戒めから解放されました。

プロメテウスを解放するヘラクレス
クリスチアン・グリーペンケル〈プロメテウスを解放するヘラクレス〉

アトラスはティターン族の一人。『ティタノマキア』のとき凄まじい反抗をしたので、ゼウスから天球を支える思い罰を受けていました。アトラスが林檎を探しに行っている間、ヘラクレスは代わり天球を支える条件を出したのです。

数日後アトラスが林檎を持って帰ってきた時、ヘラクレスは交代するように言いました。
「俺が、エウリュステウス王に林檎を届けよう」
アトラスは二度と重い天球など担ぎたくないので、そう言ってごまかしました。

ヘラクレスは思案した後、「天球の担ぐ位置を変えたいので、ちょっと天球を持っていてくれ」と頼みました。アトラスはちょっとの間ならいいかと天球を受け取りました。そのとたん、ヘラクレスは林檎を奪って逃げたのです。ヘラクレス、怪力だけでなく、なかなかの知恵者です。

林檎はエウリュステウス王に一度届けられましたが、女神アテーナによりヘスペリデスの園に返却されました。林檎は女神ヘーラーのものだからです。

ヘラクレスとラードーン
〈ヘラクレスとラードーン〉

(別説)ヘスペリデスの園がどこにあるか知らないヘラクレスは、場所を知っている海神ネーレウスを探し出しました。ネーレウスは怪物や火などに変身して逃げようとしましたが、逃げられず場所をヘラクレスに教えました。ヘラクレスはすぐさまヘスペリデスの園ヘ行き、守っている竜ラードーンを倒して林檎を手に入れました。このラードーンは、女神ヘーラーによって〈りゅう座〉になったといわれています。

功業12 冥界の番犬ケルベロス
10の功業の最後(2件は認められなかった)が、冥界の番犬ケルベロスです。ケルベロスはオルトロスの兄弟。
ヘラクレスはアテーナとヘルメースに案内されて、冥界に行きました。冥界の王ハーデースから、ケルベロスを傷つけなければ連れて行ってよいとの承諾をしました。

ヘラクレスは力ずくでケルベロスをエウリュステウス王の前に連れて行きました。王はもともと気が小さいので、ケルベロスを見ると、カゴの中に隠れてしまったということです。
なお、地上に出たケルベロスはあまりに太陽の光が明るいので驚き吠えた時、唾液がとびちり、落ちた地面から毒草トリカブトが生えたということです。

この功業の時、冥界で「忘却の椅子」に捕われていたテーセウスとペイトリオスのうち、テーセウスだけを助けたということです。
〈テーセウス物語 後編〉

※ヘラクレスの功業は10でしたが、功業2のヒュドラー退治功業5のアウゲイアース牛小屋掃除は、数に入れられませんでした。

ヘラクレスとケルベロス
ルーベンス〈ヘラクレスとケルベロス〉