1話5分で読めるギリシャ神話

ギリシャ神話の神・女神・英雄のエピソードが、絵画で分かりやすい。また、ギリシャ神話はあなたの美術鑑賞に役立ちます。〈1話5分で読める聖書-アートバイブル

ヘラクレスの功業11・12

(更新日:2021.02.21)

功業2ヒュドラー退治と功業5アウゲイアース牛小屋掃除の代わりに追加された2つの功業です。
功業11 ヘスペリデスの黄金の林檎
功業12 冥界の番犬ケルベロス

功業11に、ヘラクレスがカウカーソス山に繋がれたプロメテウスを解放するのエピソードが出てきます。

ヘスペリデスの園
エドワード・バーン=ジョーンズ〈ヘスペリデスの園〉

功業11 ヘスペリデスの黄金の林檎

その林檎(りんご)は、ゼウスとヘーラーが結婚する時に大地女神ガイアが贈ったもの。ヘーラーはこの林檎をヘスペロスの娘たち(ヘスペリデス)と眠らない竜ラードーンに守らせていました。

ヘラクレスはヘスペリデスの黄金の林檎をどうしても見つけられなかったので、あのプロメテウスに助言を乞いました。
ヘスペリデスの父親アトラスなら探せるだろう
このヘラクレスへの助言により、プロメテウスはカウカーソス山の戒めから解放されたのです。

プロメテウスを解放するヘラクレス
クリスチアン・グリーペンケル〈プロメテウスを解放するヘラクレス〉

アトラスはティターン族の一人。
ティタノマキア』の時に凄まじい反抗をしたので、ゼウスから天球を支える重い罰を受けていたのです。ヘラクレスはアトラスが林檎を探しに行っている間、代わり天球を支える条件を出しました。

数日後アトラスが林檎を持って帰ってきた時、ヘラクレスは交代するように言いました。
俺が、エウリュステウス王に林檎を届けよう
アトラスは二度と重い天球など担ぎたくないので、そう言ってごまかしました。

ヘラクレスは思案した後、
天球の担ぐ位置を変えたいので、ちょっと天球を持っていてくれ
と頼みました。
アトラスはちょっとの間ならいいかと天球を受け取りました。そのとたん、ヘラクレスは林檎を奪って逃げたのです。ヘラクレス、怪力だけでなく、なかなかの知恵者です。

林檎はエウリュステウス王に一度届けられましたが、女神アテーナによりヘスペリデスの園に返却されました。林檎は女神ヘーラーのものだからです。

ヘラクレスとラードーン
〈ヘラクレスとラードーン〉

(別説)ヘスペリデスの園がどこにあるか知らないヘラクレスは、場所を知っている海神ネーレウスを探し出しました。ネーレウスは怪物や火などに変身して逃げようとしましたが、逃げられず場所をヘラクレスに教えました。ヘラクレスはすぐさまヘスペリデスの園ヘ行き、守っている竜ラードーンを倒して林檎を手に入れました。このラードーンは、女神ヘーラーによって〈りゅう座〉になったといわれています。

功業12 冥界の番犬ケルベロス

10の功業の最後(2件は認められなかった)が、冥界の番犬ケルベロを地上に連れてくること。ケルベロスはオルトロスの兄弟です。
ヘラクレスはアテーナとヘルメースに案内されて、冥界に行きました。冥界の王ハーデースはケルベロスを傷つけなければ、連れて行ってよいとの承諾をしました。

ヘラクレスは力ずくでケルベロスをエウリュステウス王の前に連れて行きます。
しかし、王はもともと気が小さいので、ケルベロスを見るとカゴの中に隠れてしまったということです。
なお、地上に出たケルベロスはあまりに太陽の光が明るいので驚き吠えた時、唾液がとびちり、落ちた地面から毒草トリカブトが生えたということです。

この功業の時、冥界で「忘却の椅子」に捕われていたテーセウスとペイリトオスのうち、テーセウスだけを助けたということです。
〈テーセウス物語 後編〉】を読む

※ヘラクレスの功業は10でしたが、功業2のヒュドラー退治功業5のアウゲイアース牛小屋掃除は、数に入れられませんでした。

ヘラクレスとケルベロス
ルーベンス〈ヘラクレスとケルベロス〉

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